5年ぶりに、民進党は再び『線民』問題に直面している。4年前には当事者である黄国書が「退流派・退党・退選」と大々的に謝罪したのに対し、今回は国家公文書の公開によって明らかになった『線民』たちが一様に否定し、党幹部も沈黙している。本来なら転換正義の主役となるべき『線民風暴』は、民進党の権力再編によって静かに葬られ、転換の不正義が党の現状を象徴しているようだ。
同じ線民問題でも、5年前と今では民進党の対応に大きな違いがある。5年前、当時民進党の立法委員だった黄国書が、大学時代に治安機関のために党外勢力や学生運動関係者の情報を収集していた疑いが浮上した。当時は関連公文書が未公開で、本人申請による閲覧のみ可能だったため、記録上は仮名で残されていた。しかし、複数の学生運動世代が公文書を照合して黄国書を特定し、彼は友人や同志を監視していたことを認めた。黄国書は選挙からの撤退を発表したが、過去の行為に対する徹底的な反省や懺悔はないと批判された。それでも、少なくとも公に謝罪し、代償を払った点で、転換正義としては不完全ながらも一応の決着がついたと言える。
一方、今回のケースでは、立法委員の王定宇、台南市長の黄偉哲、内政部次長の馬士元が、国家公文書に記録された『線民』として名指しされている。これは単なる噂ではなく、国家公文書管理局が公開した『(法務部調査局)相談員総合巻案』や『(法務部調査局)79年布建総合巻案』といった資料に基づくものだ。特に王定宇の名前はこれらの資料に17回登場しており、布建(スパイの勧誘・管理)のプロセスが文書で詳細に記録されている。彼は授業を犠牲にして学生団体に潜入し、「偏激」な学生の情報を収集したことで、調査局から高く評価され、月額報酬が8000元まで引き上げられたとされている。
国家公文書には、成大の王定宇(籍貫:安徽臨泉)が「適時に能動的に校内・校外の違法・不安定な動向を報告した」と評価されている。
黄偉哲の線民疑惑は、もともと学生運動世代の周克任が最初に暴露したもので、黄偉哲自身も「過去の話」として否定している。しかし、今回公開された『強化校安工作案』の資料には、当時台湾大学農業経営学系の学生だった黄偉哲が、教育部人二処が継続的に布建すべき13名のリストの筆頭に挙げられており、「偏激な学生団体の異常活動に関する情報を提供し、業績が顕著」と評価され、月額報酬を2000元から4000元に引き上げるよう推薦されている。
最も意外だったのは、内政部次長の馬士元も『相談員総合巻案』や『79年布建総合巻案』に『馬介』という仮名で登場していることだ。彼の任務は、当時著名な環境運動家である林俊義教授の監視だった。公文書の公開後、馬士元は全面的に否定し、一部メディアは彼も監視対象だった『被害者』だったと主張している。
3人の『線民』が同時に発覚したにもかかわらず、常に『転換正義』を掲げてきた民進党は異常に沈黙している。この問題の核心は、責任の所在にある。転換正義を支持する者たちでさえ、真に責任を問うべきは権力を持つ威圧的統治者であり、下位の公務員やグレーゾーンの線民ではないと主張する。しかし、これは戒厳時代にはやや成立しても、黄国書や今回の3人の活動時期はほとんどが解禁後であり、国家による強制ではなく、むしろ金銭的な利誘によって動かされていた。公開された公文書には、業績に応じた報酬の調整が詳細に記録されており、これが最大の注目点だ。
イデオロギーのために線民になった者(例:中国共産党の地下党員)は、同志や敵対者からさえも一定の評価を受けるかもしれない。しかし、金銭のために友人や同志を監視することは、決して同情や容認されるべきではない。ましてや、他国のために国家機密を盗むのは『反逆罪』であり、自分の友人や家族を監視することは、人間性の根本的な裏切りである。このような者が政治の場に立つ場合、国家や政党が彼らを重用する前に、その信頼性を再評価すべきだ。
倫理的な問題に加え、現実的な政治的リスクもある。3万人以上いるとされる線民のうち、特に政治家になった者たちが注目される理由だ。例えば、東海大学在学中に線民だった馬士元が、現在の内政部次長と同一人物であれば、頼清徳政権は深刻に考える必要がある。馬士元は『総統府全社会防衛韌性委員会』の執行責任者であり、国民の安全を守る『防衛韌性』の要職にある。もし彼に友人や団体を裏切った過去があるなら、台湾国民の命と財産を守る任務を彼に任せられるだろうか?
今回の線民スキャンダルで最も大きな反差を見せたのは王定宇だ。彼は当然のように全面否定し、過去の不倫スキャンダルのときと同じ態度を取っている。婚姻においても政治においても、不忠の記録を残してきた。
他の線民経歴を持つ政治家とは異なり、王定宇は政治家として、中国海協副会長の張銘清氏を襲撃した事件から、党内で最も早く『一辺一国』を主張するに至るまで、一貫して『極端な台独立場』を取ってきた。これは、彼がかつて監視対象としていた『偏激な学生』の路線と全く同じであり、まさに『線民が監視対象を模倣した』最良の例だ。台湾独立を支持するにしても、時代の『タイミング』が重要だ。王定宇は時代がどう変わろうと常に勝者であり続けているが、それこそが転換正義にとって最大の皮肉である。
民進党は今回の全党大会での権力再編を通じて、王定宇が中常委になれないようにした。これはまるで暴力団が内部で粛清するようなものだ。実際、王定宇が全党大会で『柔軟な退場』を強いられたのは、線民問題だけが原因ではない。近年の彼の数々のスキャンダルにより、選挙区の得票が減少し、党中央からも虎視眈々と地盤を狙われていたからだ。線民スキャンダルは、民進党によって党中枢と地方の権力再編の口実にされてしまった。その結果、真に敗北したのは転換正義そのものである。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース