アメリカフロリダ州の裁判官が裁定し、トランプ元大統領(Donald Trump)は英国放送協会(BBC)が求めている財務記録を提出しなければならないとしました。これは、BBCが100億ドル(75億英ポンド;678億元人民元;3235億元新台湾ドル)の名誉毀損訴訟において抗弁を行うために必要な措置です。
この命令は、訴訟の初回公判中に下されました。トランプ氏は、BBCのドキュメンタリー番組『パノラマ』(Panorama)の一エピソードについて提訴しており、その番組が2021年1月6日のアメリカ議会襲撃事件当日の彼の演説を、異なる部分を編集してつなぎ合わせたと主張しています。
エンジョリーク・レット(Enjoliqué Lett)裁判官は、BBCの弁護団が提出した動議を認め、『ドナルド・J・トランプ可撤回信託』(Donald J Trump Revocable Trust)が保有する財務記録の開示を強制しました。トランプ氏は、大統領在任中に自身のビジネスを管理するためにこの信託を設立しました。
この裁定は2023年7月21日、マイアミで行われた公判で出されましたが、トランプ側は上訴する可能性があります。
しかし、この裁定により、BBCはトランプ氏が『パノラマ』の編集によって財務的損害を受けたと主張する根拠を立証するために、証拠を提出させるという点で、部分的な勝利を収めました。
また、BBCが議会襲撃事件そのものに関連する文書の開示を求めた件については、裁判官は一部を認め、一部を却下する裁定を下しました。
現在、この名誉毀損訴訟の焦点は「証拠開示」(discovery)プロセスに集中しています。これは、訴訟の双方が内部文書やその他の記録を提出し、証拠として利用できるようにする手続きです。
BBCの弁護団は、すでに8万7000ページに及ぶ文書を提出しているのに対し、トランプ側はわずか735ページしか提出していないと指摘しました。さらに、BBC側はトランプ側の提出内容を「虚偽の提出」と批判し、その資料は「ニュース記事」や「インターネットから取得した情報」にすぎないと述べています。
BBCを代表するチャールズ・トビン(Charles Tobin)弁護士は、この状況を「完全に一方的な証拠開示」と表現しました。
一方、トランプ氏を代表するアレハンドロ・ブリト(Alejandro Brito)弁護士は、BBCの文書請求は「圧迫的」かつ「範囲が広すぎる」と反論しています。また、BBCがトランプ氏とそのスタッフが議会襲撃事件について話した記録の開示を求めたり、連邦機関や元政府関係者に対して差し押さえ令状(サブポーナ)を発行しようとしていることにも反対しています。
トランプ氏の法務チームは、BBCがサブポーナを用いて「根拠のない証拠収集」(fishing expedition)を行っており、元政府関係者を「嫌がらせ」していると非難しています。
トランプ側の弁護士の主な主張の一つは、BBCの会長であるサミール・シャー(Samir Shah)が2023年11月にトランプ元大統領に宛てた書簡に基づいています。この書簡では、『パノラマ』の該当シーンについて謝罪し、「トランプ大統領が直接的に暴力を呼びかけた」という誤解を招いてしまったことを認めています。
ブリト弁護士は、この書簡をBBCの「譲歩」と「自白」として強調しています。
一方、BBCは以前から、このドキュメンタリーはアメリカ国内で放送されていないことから、訴訟自体を取り下げるべきだと主張しています。この点について、裁判所はまだ裁定を出していません。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
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