日前、海外メディアは中国が自主開発した浸潤式深紫外光(DUV)露光装置の量産を開始したと報じ、投資家の間でASMLの中国市場における長期的な成長への懸念が広がった。これを受けてASMLの株価は27日に大幅に下落し、半導体関連株全体が売りにさらされた。

これに対して、財経作家の狄驤氏はフェイスブックで投稿し、市場が弱含んでいる時期には「怪談」が増えると指摘。中国がDUV装置を生産するという報道は過去にも繰り返し登場しており、今回も本質的に大きな違いはないと述べた。むしろ、主力投資家はこうしたネガティブな報道を受けて株価を押し下げ、その場で買い増す「押し目拾い」を行うとし、今後も業績ベースで関連銘柄は緩やかに上昇すると予測している。

報道によると、中国は今年中に約5台のDUV装置を生産し、2027年には20台に増やす計画だという。目的はASML製設備の代替を進め、技術的依存を解消することにあるとされる。この報道が市場を動かし、ASMLの株価が急落したほか、関連半導体株も下落した。

歴史は繰り返されるのか? 狄驤氏は中国のDUV開発に関する過去4つの「狼が来た」報道を整理した。

2020年末、上海の企業SMEEが2021年末までに28ナノメートル級のDUV装置を納入するとの報道があり、中国が米国技術への依存を減らす重要な一歩となるとされた。

2023年10月には、華為(ファーウェイ)が7ナノメートルの「麒麟9000S」チップを搭載したスマートフォンを発売。これは米国の技術封鎖を突破した証とされ、中国が秘密裏にDUV装置を開発しているのではないかとの憶測を呼んだ。

2024年9月、中国工業情報化部が国産DUV装置の導入を推進すると発表。当初市場は技術突破と受け止めたが、その後、この装置はASMLの製品に比べて著しく遅れていることが判明した。

2025年9月の報道では、中芯国際(SMIC)が新興企業が開発した28ナノメートルDUV装置をテスト中とされ、西洋技術からの脱却を目指しているとされた。

しかし狄驤氏は、装置が作れる=高歩留まりでの量産が可能、とは限らないと強調する。半導体製造では、歩留まり(良品率)がコストと生産性に直結する。歩留まりが低ければ、チップの生産は極めて困難かつ高コストになる。これが、中国が長年にわたりDUV開発をアピールしながらも、実際にはASMLなどからの輸入に依存し続けている根本的な理由だと分析している。

実際、こうした報道が出るたびに米国半導体設備株は一時的に売られるが、その後は業績を背景に株価を回復させている。また、これらの企業が中国に輸出する金額は、高水準を維持するか、むしろ増加傾向にある。これは中国が依然として西洋技術に頼っている証拠だと狄驤氏は指摘する。

結論として、狄驤氏は今回の報道も過去と同様の構図だとし、主力投資家が一時的な下落を利用して株を拾う局面だと分析。今後は業績に裏打ちされた緩やかな上昇が続くと予測している。ただし、その過程では投資家の部位管理と投資纪律が試されるとしている。

関連報道: ・米国・ASMLの封鎖を突破?中国が国産DUV露光機を実現、8ナノメートル以下チップの生産が可能に ・模倣技術の失敗?中国が露光機を逆設計も「元に戻せない」、緊急でASMLに支援を要請 ・ASMLの強敵登場?中国2社が露光機で大突破、専門家が明かす真実:米国禁輸令への対抗措置として意義あり

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:ASML / SMEE