国防省の「連合防衛演習」は2026年7月17日に終了した。今回の演習は、敵軍の発進を想定したシナリオを基に、陸海空自の統合運用、去中心化キルチェーン、分散型指揮体制の検証を目的としており、「漢光42号」演習の前哨戦と位置づけられている。演習中、多くの部隊が「跨区増援」を実施した。軍関係者によると、これは部隊の戦術的機動ルートが実際に機能するかを確認するためであり、『車が実際に走ってみなければ道が通れるか分からない』のと同じだと説明している。

特筆すべきは、第二作戦区域(花蓮・台東)の跨区増援において、部隊が初めて緑島と蘭嶼に展開したことである。特に蘭嶼は、実に約30年ぶりの部隊上陸演習であり、現地での訓練は極めて稀な事例だ。この動きの背景には、ある将官の戦略的発想があったとされる。

東台湾は長年にわたり、軍の戦力保存区域として位置づけられてきた。しかし、今回の演習では、むしろ部隊を東方に前進配置する動きが見られ、戦略的重心の東シフトが明らかになった。これは、台湾の防衛戦略が従来の西部主軸から、離島・東部を含めた多点分散型防衛体制へと転換している可能性を示唆している。

軍事専門家は、緑島・蘭嶼への展開が単なる訓練ではなく、『実効支配』の強化と、敵の侵攻経路を遮断するための戦略的布石だと分析している。特に、蘭嶼はフィリピンとの距離が近く、南西諸島防衛ラインの延長線上に位置するため、地理的に極めて重要な戦略的価値を持つ。

今回の演習では、無人機、電子戦装備、ミサイル発射車両など、多様なプラットフォームが投入され、実際の戦闘シナリオに近い運用が行われた。また、指揮所の分散化により、一カ所が攻撃されても全体の指揮機能が維持できる体制の構築が進められている。

将来的には、このような離島への展開が常態化し、『漢光』シリーズや他の合同演習でも繰り返される可能性が高い。台湾の防衛戦略が、より機動的・分散的・非対称的な方向へ進化している中で、今回の演習はその転換点となる出来事であると評価されている。

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  • 出典:PR Times
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