日本政府は永住許可の審査基準を見直す方針を固め、今後は申請者の収入だけでなく、配偶者の所得、海外にいる扶養親族、そして退職後の年金水準も審査対象となる可能性がある。メディアで話題になっている「月収47.9万円」という基準は、現時点では正式に定められたものではないが、新制度が草案通り導入されれば、永住申請の難易度は大幅に高くなる見込みだ。

日本で「永住」(通称・永住権)を取得するには、今後単に長期在留し、税金を滞納しないだけでなく、家族全体が日本の平均以上の経済力を持ち、退職後も公共財政の負担にならないことを証明する必要がある。

出入国在留管理庁は現在、『永住許可に関する指針』の見直しを進めている。これまで抽象的だった「自立した生計を営んでいること」という要件を、具体的な収入額、家族人数、年金水準などに置き換える方針だ。

また、すでに永住資格を取得している人を対象とした新たな制度も、2027年4月から導入される予定だ。税金や社会保険料を故意に滞納し、情状が重い場合には、永住資格を取り消すことが可能になる。

つまり、日本政府は「永住の取得」と「永住後の維持」の両面で、審査を厳格化しようとしているのだ。

「月収47.9万円」は確定した基準ではない

朝日新聞や共同通信の報道によると、改正案では申請世帯の収入が、原則として日本の平均世帯所得を上回ることが求められるという。

厚生労働省が7月に発表した『2025年国民生活基礎調査』によると、2024年の日本の平均世帯所得は575万2000円、月額に換算すると約47万9000円である。これが一部メディアで「永住申請には月収47.9万円が必要」と報じられる根拠となっている。

しかし、この数字には少なくとも二つの誤解の余地がある。

まず、575万2000円は「世帯平均所得」であり、申請者個人の年収が必ずしもこの金額に達する必要があるわけではない。また、これを12で割った47万9000円も、単なる換算値であり、入管庁が公式に発表した最低月収ではない。

第二に、改正案では「平均水準を超える収入」が求められているが、どの年度の統計を使うのか、家族人数はどのように換算するのか、最終的な基準額がいくらになるのかは、まだ正式な指針が公表されていない。

7月28日現在、入管庁の公式ウェブサイトに掲載されている現行の指針では、申請者が「公共の負担とならないこと」「将来にわたり安定した生活を営むことが見込まれること」という要件しか明記されておらず、全国統一の明確な収入額は設定されていない。

なお、日本の世帯所得の中央値は451万円であり、575万2000円の平均所得を下回る世帯は全体の61.5%に上る。もし今後「平均所得」がそのまま永住の基準とされれば、外国人申請者の経済力が大多数の日本人世帯よりも高いことが求められることになる。

申請者のみならず、配偶者の収入も合算可能

朝日新聞が入手した改正案の草案によると、永住申請は世帯帯単位で収入を評価する。

申請者の収入に加え、同居する配偶者やその他の家族の収入も合算できる。したがって、申請者本人の年収が基準に満たなくても、配偶者など家族に安定した収入があれば、合計で基準を満たすことが可能だ。

ただし、草案には制限もある。『家族滞在』など、原則として就労を目的としない在留資格を持つ者が、資格外活動の許可を得てアルバイトなどで得た収入は、家庭収入に含めない可能性があるとされている。

つまり、今後は家庭が実際にいくら稼いでいるかだけでなく、その収入がどのような在留資格や働き方で得られたものかも審査対象となる。

海外にいる親族も扶養対象に、5人以上で基準引き上げ

新制度のもう一つの大きな変更点は、申請者と同居していない扶養親族も、審査対象となる可能性があることだ。

草案では、外国に居住する扶養親族も計算に含めると明記されている。つまり、日本で働く外国人が母国にいる父母や兄弟姉妹などを扶養している場合、これらの親族も今後、経済力審査の対象となる。

さらに、計算上の家族人数が5人以上になると、入管庁は生活費などの必要経費を加味して、必要な収入基準をさらに引き上げる方針だ。

この規定は、母国にいる親族を定期的に仕送りで支援し、所得税の扶養控除を申請している外国人労働者に大きな影響を与える。ただし、一人増えるごとにどの程度収入基準が上がるのか、具体的な計算式はまだ明らかになっていない。

年金も「厚生年金30年加入」相当が目安

収入に加え、申請者の退職後の生活能力も永住審査の重要な項目となる。

共同通信の報道によると、草案では申請者が将来受け取れる年金が、厚生年金に標準的な収入で30年間加入した場合に得られる水準に相当することを原則として求めている。

これは、申請者が永住申請時点で実際に30年間年金を納付済みである必要があるという意味ではない。退職後に相当額の年金を受け取れる見込みがあるかどうかを評価するものだ。

もし年金見込みが不足する場合、入管庁は預貯金、株式、その他の金融資産を持っているかを確認し、退職後の生活費を補えるかを判断する可能性がある。ただし、金融資産をどのように年金力に換算するか、どの程度の期間維持が必要かは、現時点では未定である。

永住取得後も永久保証ではなく、悪意の欠税で取消しも

すでに永住資格を取得している人を対象に、日本政府は資格取消しの判断基準を定める新たな指針を策定している。

日本は2024年に『入管法』を改正し、永住者が故意に税金や社会保険料を滞納した場合に永住資格を取り消すことができる規定を追加した。この制度は2027年4月1日から施行される予定だ。

産経新聞が入手した草案によると、地方自治体が複数回の催告や財産差押えなどの滞納処分を行ったにもかかわらず支払いを拒否する場合、脱税で有罪判決を受けた場合、財産を隠匿したり徴収を妨害したりした場合などが、資格取消しの具体的な事例とされる。

ただし、税金の滞納が直ちに永住資格の取消しにつながるわけではない。

入管庁の公式説明では、取消しの判断には滞納額、期間、回数、催告に対する当事者の態度、その後の解決状況などを総合的に考慮するとされている。

当事者が支払い意思を示し、分割納付などで着実に支払いを進めている場合、または法定の猶予許可を得ている場合は、原則として取消しの対象とはならない。また、病気、災害、非自発的な失業など、当事者にコントロールが難しい理由による滞納も除外される。

10月に指針変更、4月申請分から遡及適用の可能性

朝日新聞の報道によると、新たな収入基準は2026年10月1日に指針変更後、正式に導入される予定だが、2026年4月以降に受理された永住申請に遡って適用される可能性がある。

これは、すでに申請書類を提出し、従来の審査慣行に基づいて準備していた申請者に対しても、新たな収入証明や扶養関係、年金見込みの追加提出を求められる可能性があることを意味する。

ただし、メディア各社の報道では実施時期に差がある。一部では収入条件が今年10月から適用されると報じており、年金やその他の条件は2027年4月まで延期される可能性もある。そのため、575万2000円や月収47万9000円を、すでに確定した法定最低基準と見なすことはできない。

日本政府は最近、「秩序ある共生」を強調しており、経済力や納税記録に加え、日本語能力、日本の制度や生活ルールの理解度、子の就学状況などの要件を強化する方向で検討を進めている。2024年7月24日には外国人政策に関する閣僚会議が開かれ、年内に後続の基本方針を策定することが決定された。

永住申請を検討している外国人にとって、日本の永住制度は、在留期間や就労の安定性、納税記録の確認から、家族の負担、退職後の財源、永住取得後の継続的な法遵守状況までを包括的に審査する方向に大きく転換しつつある。今後、真に重要なのは、自分と家族が日本の社会保障制度の負担にならないことを長期的に証明できるかどうかである。

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  • 出典:PR Times
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