日本熊本で発生したマグニチュード7.1の強震後、現地の台湾企業の安全と操業状況が徐々に明らかになってきました。台積電(2330)は、傘下の日本先進半導体製造(JASM)のウェハファクトリーで最大震度5を観測したと発表しました。地震発生直後に社内手順に基づき、従業員の避難を即座に実施。その後の確認により、工場内の全員が無事であることが確認され、建物の構造にも問題はないと判断されています。現在、生産ラインは段階的に再稼働を進めています。
JASMの工場は熊本県菊陽町に位置しており、今回の地震で最大震度7を記録した熊本県内でも強い揺れを感じました。台積電によると、工場敷地内で観測された最大震度は5にとどまりました。安全確保のため、地震発生直後に社内プロトコルに従って全員の避難と集結が行われました。
避難後の点検と人数確認の結果、台積電は「工場内の全員が安全であることを確認した」と発表。人的被害のリスクは一応解消されたと評価しています。その後、建物の損傷調査も実施され、構造的な安全性が確認されました。現在は、社内の安全手順に従って、生産設備の再稼働を段階的に進めています。
ただし、「段階的な再稼働」とは、すべての装置や工程、生産能力が即座に回復したことを意味するものではありません。台積電は、設備の詳細点検や影響評価が継続中であると強調しています。今後は、設備の安定供給を支えるファシリティシステム、精密機器、装置のパラメータ、および製造中のウェハの状態などを個別に確認する必要があります。
半導体工場の設備は、振動や電源の安定性、工場インフラの信頼性に対して極めて敏感です。建物が無傷でも、装置の再校正や再起動には時間がかかります。したがって、台積電が詳細な評価を完了するまでは、JASMが完全に通常の生産能力を回復したとは断定できず、今回の地震によるウェハや生産能力の損失の有無もまだ不明です。
一方、JASMの建設現場については、地震による直接的な影響は確認されていません。しかし、今後の余震を考慮し、作業員の安全を最優先とするため、一部の建設作業を一時的に停止しています。これは予防的な措置であり、現場や構造物、建設機械に損傷があったわけではありません。再開時期は、今後の余震の状況と現場の安全評価次第です。
JASM熊本第一工場は2024年末から量産を開始しており、主に12/16ナノメートルおよび22/28ナノメートルのプロセスを用いており、月産5万5000枚の12インチウエハーを生産しています。主に自動車、産業機器、民生用電子機器向けの半導体を供給しています。現在建設中の熊本第二工場は、3ナノメートルプロセスを導入予定で、2028年の量産開始を目指しており、月産1万5000枚の計画です。
台積電は、どの建設工程が一時停止されたかを明言しておらず、第二工場の全体スケジュールに影響が出るかどうかは現時点では不明です。
経済部は、熊本に進出している台湾企業の状況を調査しました。福岡経済事務所を通じて、研華(2395)、台達電(2308)、友懇、東京之星などの企業に確認したところ、すべての企業から「従業員は全員安全」「現地拠点や工場の操業に影響なし」との報告がありました。
経済部は、台積電JASMについても、緊急時対応手順に従って室内・室外への避難と人数確認が行われたと把握しています。台積電が公表した最新の点検結果によれば、JASMの全従業員の安全が確認され、建物の構造にも問題はなく、生産ラインは段階的に回復しています。
ただし、経済部が把握しているのは、地震直後の初期調査結果にとどまります。熊本では今後も余震が続く可能性があり、交通、電力、水道などのインフラ状況が企業活動に影響を及ぼす可能性があります。経済部は、状況の変化を注視し、現地企業の状況を継続的に把握していくとしています。
現時点での報告によれば、熊本の台湾企業における人的・建物の安全リスクは一応解消されています。今後の注目点は、JASMの精密設備と製造中のウェハの点検状況、生産再開のスピード、および一時停止中の建設工事の再開時期に移っています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
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