租税回避を防ぎ、相続人の権利を守るために、行政院は本日(30日)、『遺産及贈與稅法』の一部条文改正案を正式に可決しました。今後、被相続人が死亡する2年以内に配偶者、各順位の相続人(子、孫、兄弟姉妹など)およびその配偶者に贈与した財産(いわゆる「擬制遺産」)は、相続財産に加算されて課税されますが、その税負担は「受贈人」が、取得した財産の割合に応じて負うことになります。これにより、贈与を受けていない相続人が巨額の税金を不当に負担する事態を防ぎます。
改正の背景:「富裕な父が元妻に贈与、非嫡出娘が税金を独りで負担」の悲劇を再発防止
今回の改正は、2024年10月の憲法裁判所による『113年憲判字第11号』判決が発端です。従来の規定では、配偶者間の贈与は贈与税が非課税ですが、死亡前2年以内の贈与は相続財産に加算され、課税対象となります。
この条文が問題となったのは、ある陳姓男性が死亡する1年前に元妻に3億元相当の株式を贈与したケースです。この男性が亡くなった後、元妻と嫡出子が相続放棄を選択したため、この高額株式にかかる遺産税の全額が、唯一相続を承認した非嫡出の幼い娘に課されることになりました。憲法裁判所は、このように納税負担の基準が明確でない現行制度は違憲であると判断。財政部はこれを受け、2年以内に法規の全面見直しと改正を行いました。
2026年『遺産及贈與稅法』改正案の5大ポイント
1. 「擬制遺産」の納税義務者を明確化(第6条) 被相続人が死亡する2年以内に、配偶者、各順位の相続人およびその配偶者に贈与した財産を相続財産に加算して課税する場合:
按比例算税: 各受贈人が受け取った財産が総相続財産に占める割合に応じて、対応する遺産税額を算出します。
指定受贈人為納税人: 納税義務者を「受贈人」とし、その負担上限は受贈財産の価値を上限とします。
遺言執行者の役割変更: 遺言執行者は従来の「納税義務者」から、「納税義務者の代わりに申告・納税・審査請求を行うこと」ができる存在に変更されます。
2. 配偶者の財産差額分配請求権の最適化(第17条の1) 配偶者の財産差額分配請求権の控除額を計算する際、被相続人が死亡する2年以内に配偶者に贈与した財産は、被相続人の現存財産とみなされます。また、納税義務者がこの支払い義務を履行する際、この配偶者が受け取った「擬制遺産」で相殺することはできません。
3. 追加財産の申告・課税期間を明確化(第23条) 被相続人が死亡した後に、裁判所の確定判決(または同等の効力を持つ文書)により、その所有財産と判明した場合、草案では遺産税の申告期間および課税期間の起算日について明確な規定を追加しています。
4. 納税方法の緩和と「多数決」による預金納税(第30条)
分期門檻の廃止: これまで納付税額が30万元以上の場合に限り、分割納付を申請できた制限を削除します。
多数決による解決: 相続人が「多数決」により、相続財産に含まれる銀行預金を直接用いて遺産税を納付できるようにします。これにより、一部の相続人が同意しないことによる納税不能を回避できます。
抵繳同意機制: 受贈人が遺産で税額を納付または相殺しようとする場合、全相続人の同意が必要です。
5. 遅延税の取扱いを『税徴法』に一本化(第51条) 遅延税の加算方法や、未納付時の強制執行に関する規定を削除し、すべて『税徴法』の規定に従って統一的に取り扱います。
財政部は、今回の改正案が相続人および受遺贈人の財産権を両立させ、租税の公平性を高めるとともに、納税手続きの利便性を向上させると説明しています。行政院の決定を受け、財政部は立法院の与野党と積極的に協議を進め、早期に三読を成立させ、制度を正式に施行する予定です。
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- 出典:PR Times
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