国際通貨基金(IMF)は最新の『世界経済見通し』において、台湾と韓国の一人当たりGDPの差が今後も拡大すると予測している。長期的なトレンドとして、2031年には台湾の一人当たりGDPが5万6101ドルに達する一方、韓国は4万6019ドルにとどまり、約1万ドルの差が生じるとされている。また、台湾の世界ランキングは第32位から第30位へと上昇するのに対し、韓国は第40位から第41位へと後退する見込みだ。
この状況について、財経専門家である黄世聰(こう・せいそう)氏は、台湾経済が韓国を上回っているものの、韓国のサムスン電子が継続的に利益を上げ、設備を積極的に購入している点に注目すべきだと指摘する。黄氏は、サムスンが高帯域幅メモリ(HBM)や動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)で高い収益を上げており、今後さらなる設備投資を行う可能性があると警告している。
黄氏は、テレビ番組『宝傑点兵』の中で、台湾が野球や経済の分野で韓国を追い抜いたことを受け、韓国社会に「台湾恐怖症」という言葉が広がっていると紹介した。IMFのデータによれば、台湾の一人当たりGDPはすでに2年前に韓国を上回っており、2031年にはその差が約1万ドルに達するという。さらに、台湾の一人当たりGDPは2031年には日本も上回り、日台間で約5000ドルの差がつくと予測されている。
黄氏は、台湾が人工知能(AI)関連のサプライチェーンを完全に整備しているのに対し、韓国はHBMやDRAMの生産に集中しており、技術的な不安を抱えていると分析する。また、中国がDRAM分野で急速に台頭しており、韓国は中国に市場を奪われるリスクも抱えていると指摘。「彼ら(韓国)は台湾には追いつけず、一方で中国がすぐそばまで来ている」と述べ、韓国が二正面作戦に直面していると警鐘を鳴らしている。
一方で、サムスンは近年、HBMを通じて巨額の利益を得ており、今後さらなる設備投資を行う可能性が高い。実際に、サムスンは最近、ASML製の極紫外(EUV)露光装置を20台以上購入している。黄氏は、サムスンがこうした利益を基に継続的に投資を進めれば、台積電にとって非常に強力な競争相手となり、台湾の半導体産業にとっての潜在的リスクになると警告している。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:調査
- 関連組織:サムスン電子 / ASML
- 製品・サービス:HBM / DRAM