「美日同盟」が為替市場で日円の下落を阻止するために共同介入したが、その効果は一時的なものにとどまり、「根本的な反転」は難しいと見られている。この数百億ドル規模の介入資金は、おそらく『水に投じたお金』になるだろう。
日円の為替レートは長らく低迷しており、最近では1ドル=163円を割り込む水準まで下落していた。市場はもともと、日本銀行(日銀)が介入すると予想しており、あるいはむしろ『待ち望んでいた』状態だったため、今回の介入は市場の予想の範囲内であった。しかし、市場が驚いたのは、米国も同時に介入に加わったことだ。トランプ大統領はインタビューで、「米日友好の観点から」米国が日円買い介入を行ったと認め、財務長官のベセント氏の机には「50~100億ドル相当の日円を購入」というメモが写真付きで流出した。
これは2011年以来、初めて米日が共同で為替介入を行うケースである。ただし、2011年の介入は『円高阻止』が目的だったのに対し、今回は『円安阻止』が目的だ。当時は東日本大震災後に海外からの円資金が大量に本国に戻るとの見通しから、円が1ドル=79円台まで急騰し、輸出産業が打撃を受けたため、米日が協力して円を売却することで為替を安定させようとした。しかし今回は、日円の継続的な下落が国内のインフレと政治的圧力を高めていることから、両国が協力して日円を買い支える形となった。
実際に、空売り勢に対して『美日同盟』が為替市場で勝負を挑んだ結果、短期的な効果はあった。先週、日円は一時157円台まで上昇し、今週初めには155~156円台まで強含んだ。今回の介入によって、日円は約4~5%押し上げられたことになり、『一時的な支え』としては目標を達成したと言える。
しかし、真の勝利には程遠い。中央銀行が為替介入を行う場合、目指すべきは単なる『一日行情』ではなく、通貨を『適正価格』とされる水準に中長期的に安定させることにある。この観点から見ると、今回の米日共同介入は成功よりも失敗の可能性の方がはるかに高いとされる。
基本的な経済状況を見ると、日本経済は長年の停滞から脱却できず、今年の経済成長率は0.5~0.72%程度と予測されており、前年を下回っている。輸出はAIブームの恩恵で二桁成長を記録しているものの、エネルギー価格の上昇と円安の影響で、エネルギーをほぼ全量輸入に頼る日本は今年、貿易赤字に陥ると見られている。これは明らかに日円の下支えにならない要因である。
技術面でも、先週の米連邦準備制度理事会(FRB)の会合では金利据え置きが決定されたが、市場は今後の利上げの可能性が利下げより高いと見始めている。一方、日銀も金利を据え置いた。そのため、米国と日本の金利差は依然として大きく、今後さらに拡大する可能性すらある。この状況下では、「渡辺太太」と呼ばれる個人投資家たちには、円を借りてドル資産を買うという『カーリートレード』のインセンティブが強く残っている。さらに短期的には、多くの投資家が日銀の介入を予測しており、適切なタイミングで『逆張り』を行うことで、米日同盟の成果をあっさりと打ち消してしまう可能性がある。
過去の事例を見ても、中央銀行の為替介入が成功した例は極めて少ない。特に、経済の基本状況から乖離した介入や、『市場全体と戦う』ような試みは、ほとんどが失敗に終わっている。今年5月にも日銀は単独で日円買い介入を行い、11兆円以上を投じたが、その効果は『数日間』にとどまり、2か月後には再び介入を余儀なくされた。今回は、その教訓から、『盟主』である米国を巻き込んで市場に威嚇をかける形となった。
2011年の米日共同介入について振り返ると、当時の為替レートは1ドル=79円台まで円高となり、両国が協力して円を売却。介入後、一時的に80円台まで円安に戻したが、1か月もしないうちに再び85円台まで円安が進み、その後も円高トレンドは続き、7月には80円を割り込み、10月末には75円台まで上昇、年末には77円前後で推移した。つまり、2011年の共同介入の効果は『約1か月』程度であり、その後は再び経済の基本状況に基づく『本来の動き』に戻ったのである。
もっと広い視野で見れば、為替介入が失敗し、『砂漠に倒れた屍』の山が積み上がっている例は枚挙に暇がない。1990年代のメキシコ危機をはじめとするラテンアメリカの金融危機は、基本面から大きく乖離した為替レートを維持しようとした末の崩壊である。金融のワニとして知られるジョージ・ソロスが英ポンドを攻撃したのも同様の構図だ。最も有名なのはアジア通貨危機で、多くの『小龙・小虎』と呼ばれた国々が、自国通貨の為替レートを守るために外貨準備をすべて使い果たし、『金融的死』を迎えたことだろう。
今回の米財務長官ベセント氏が意図的に『50~100億ドルの日円購入』というメモを見せたが、今年5月の日銀の介入は約700億ドル(11兆円)を費やしながらも効果がゼロだった。今回の介入でもすでに約530億ドルが使われている。それに対して米国が50~100億ドル程度を投入するというのは、市場にとってはむしろネガティブなシグナルと受け止められる可能性が高い。
米国の投資銀行ですら、為替レートの防衛が効果を持たないと表明しており、市場の見方もほぼ全面的に否定的だ。中央銀行が市場全体と戦って勝つことは極めて稀である。今回の『美日同盟』が、本当に例外となることができるだろうか?
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- 出典:PR Times
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