中国のAI業界が再び価格競争に突入した。OpenAIは近日、自社の『GPT-5.6 Luna』モデルの価格を大幅に引き下げ、最大で80%の値下げを実施した。しかし、中国企業のDeepSeekはその数時間後には、新たなフラッグシップモデル『V4-Flash』を発表し、その価格はOpenAIよりもさらに低く設定された。100万トークンの出力に対してわずか0.28ドルの価格であり、海外メディア『Wccftech』はこれを受けて、「中国AIの価格戦争への反撃が、予想より早く始まった」と評している。
報道によると、OpenAIはGPT-5.6 Lunaモデルの価格を大きく見直した。改訂後の料金体系は以下の通りだ。100万入力トークンあたりの料金は、従来の1ドルから0.2ドルへ、100万出力トークンは6ドルから1.2ドルへとそれぞれ引き下げられた。OpenAI側は、この大幅な値下げについて『モデルアーキテクチャの最適化により、計算効率が向上したため』と説明している。しかし、市場の多くはこれを、中国のAI企業が展開する価格攻勢に対する第一歩と見なしている。
さらに低い価格? DeepSeekの出力コストはわずか0.28ドル
報道では、OpenAIが価格引き下げを発表して数時間後、DeepSeekが直ちに最新モデルV4-Flashをリリースしたことが紹介されている。注目すべき点は、このモデルが2840億のパラメータ(parameters)しか持たないにもかかわらず、米国企業Anthropicが開発した一兆以上のパラメータを持つ『Opus 4.8』モデルと同等の全体的な性能を持つと公式が主張していることだ。これは市場に大きな衝撃を与えている。
さらに市場を震撼させたのは、DeepSeekが明確にOpenAIをターゲットにした価格設定を行ったことである。V4-Flashの価格は、100万入力トークンあたり0.14ドル、100万出力トークンあたり0.28ドル。OpenAIがすでに大幅に値下げしていたにもかかわらず、その価格優位性がほぼ失われてしまった形だ。
米国のAIを「蒸留」? 中国企業「月之暗面」が2万個のNVIDIAチップを大量購入
一方、報道では近年急速に成長している中国のAI企業『月之暗面(Moonshot AI)』が、アリババを通じてNVIDIAのH200チップを2万個も調達したと『ブルームバーグ』が報じている。これにより、同社のモデル訓練能力が大幅に強化された。
しかし、月之暗面は技術面でも物議を醸している。Anthropicや米国政府関係者は、同社のKimi K3モデルが『蒸留(distillation)』という手法を通じて、AnthropicのFableモデルからAI能力を不正に取得していると指摘している。また、最近ある米国政府関係者が提起した告発では、月之暗面がNVIDIAのGB300 AIサーバーを秘密裏に保有しているだけでなく、タイ経由でさらなるGB300の計算資源を取得しており、輸出管理規制に違反しているとされている。
米国にオープンソースAIの競争相手はいるのか? 新興企業が挑戦
報道によれば、米中間のオープンソースAIモデル分野における競争の中で、米国のAI新興企業Thinking Machinesが新たに『Inkling-Small』というオープンウェイト(Open-weight)モデルを発表した。
Artificial Analysisによる分析評価では、DeepSeek V4 Flashが50%のスコアでトップを維持している。Inkling-Smallのスコアは40%で、新版のDeepSeekには及ばないものの、旧版のV4 Flashと同等の性能を示している。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:新製品
- 関連組織:OpenAI / DeepSeek / Anthropic
- 製品・サービス:V4-Flash / GPT-5.6 Luna