無人機は、ロシア・ウクライナ戦争や米国とイランの緊張を背景に、ますます多くの国で注目されるようになっている。台湾国防産業発展協会の理事長である呉明蔚氏は、過去20年間にわたる海外からのサイバー攻撃への対応で培われた資安力、主権AIのトレンド、そして無人機の完全な産業チェーンという3つの強みが、非赤供給チェーンにおける台湾の「3大護城河」だと指摘した。

呉氏は、AI・IoT大連盟と台湾グローバル無線プラットフォーム推進会が共催した「AI無人機、通信レジリエンス、セキュリティ」のクロスドメイン応用シンポジウムで、8月4日に開会挨拶を行い、「民主国家が非赤供給チェーンの無人機を開発するには、台湾を抜きにしては語れない」と述べた。

第一に、台湾は20年間にわたり資安防衛の実力を鍛えてきた。呉氏は、「ウクライナの無人機産業がここ4~5年で急速に進化したように、台湾の資安技術は20年間にわたり進化してきた。我々はサイバー攻撃の『銃弾の雨』の中で、産業活動を継続してきた。皆さんは実感がないかもしれないが、ハッカーの脅威は非常に深刻だ」と語った。

「過去20年間、国家と大手企業が多くの対策を講じてきたからこそ、一般企業では浄水器程度のセキュリティで十分な状態になっている。もし資安がなければ、あらゆる産業のレジリエンスや繁栄は一夜にして崩壊するだろう。だから台湾の資安力は、他では代替できない“護城河”だ」と強調した。

第二に、各国が主権AIの構築を目指す中で、「ハードウェアは台湾から調達しない限り、実現は不可能」と呉氏は断言した。「今日のAI時代において、各国は自国のAIモデルを自国で運用する“主権AI”を模索している。その実現には、台湾のハードウェア製造が不可欠だ。AIこそが台湾の2番目の護城河である」と述べた。

第三に、無人機の量産体制の優位性を挙げた。台湾国防産業発展協会はほぼ毎月、国内企業を連れて世界の防衛産業見本市に参加しており、そこでは常に新しい技術や製品の進化が見られるという。しかし、「これらの革新が量産できなければ、それは単なるデモに過ぎない」と呉氏は指摘した。

「台湾のサプライチェーンはすべて同じ島内に集中しており、量産の面で大きな優位性を持つ。将来的に需要に応じて前線に近い場所での生産が必要になっても、このサプライチェーンを再現できる。この3つの競争優位性から、非赤供給チェーンに“Made in Taiwan”が不可欠な理由が明らかだ」と語った。

同シンポジウムには、GloRa推進会の名誉会長であり、エイサー創業者の施振栄氏も出席した。GloRa推進会は2019年に設立され、中山科学研究院から民間に技術移転された低消費電力無線通信技術「GloRa(Global Radio)」を活用したオープンイノベーションプラットフォームの構築を目指している。

施氏はメディアの取材に対し、「GloRa技術はすでに軍事・防衛分野で広く使われており、今後さらに多くの応用が期待される」と述べた。「台湾の最大の強みは研究開発力であり、今後は“スマイルカーブ”の右側(付加価値の高いサービス・ブランド)から左側(製造・開発)を牽引していくべきだ。無人機は今後の大きな応用分野であり、通信とAIの統合、特にAIエッジコンピューティングのチップ開発が台湾の将来の成長分野になる」と語った。

また、台湾防災産業協会の理事長である陳奕廷氏は、無人機産業の発展に向けた3つの提言を行った。第一に、ナビゲーション・画像処理・通信の3機能を1つに集積した「三合一チップ」の開発を政府が支援すべきだと主張した。現在、このチップは中国のみが製造可能だが、「台湾の半導体力があれば、非赤供給チェーン向けの開発も可能だ」と期待を示した。

第二に、UTM(無人機交通管理システム)の整備を要望。現在、台湾には空域管理の統合プラットフォームがなく、無人機の飛行許可申請に課題があるため、一元的な管理機関の設置が必要だと訴えた。

第三に、人材育成の重要性を強調。政府が無人機を購入しても、操作できる職員が異動すれば使われなくなるケースが多発しているため、「政府はハードウェアの購入ではなく、サービスの調達を検討すべきだ。無人機企業が運用支援を行うことで、持続的な活用が可能になる」と提案した。

陳氏は、台湾の無人機産業が国際競争に勝ち抜くためには、制度の整備、サプライチェーンの信頼性、人材の蓄積が鍵になると結論づけた。

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  • 出典:PR Times
  • 分類:イベント
  • 製品・サービス:三合一チップ / UTMプラットフォーム