アメリカと日本が最近、珍しく共同で円安に対処するために為替介入を行ったことで、市場が大きく注目している。
これについて、財金教授の朱岳中氏は5日、「財経一路發」番組内で、メディアが分析するアメリカが介入に踏み切った理由を3つ挙げた。
1つ目は、日本が米国債を売却することを恐れていること。2つ目は、投資家が米国債を売って日本国債を買う動きが出ることを警戒していること。3つ目は、日本企業がアメリカに保有する資金を日本へ引き揚げることを懸念していることだ。
つまり、アメリカが日本を助けるために動いたわけではなく、自分自身を守るために行動したのだという。
朱岳中氏は、現時点で円安は一時的に落ち着いているものの、市場ではまだ円高へ向かう余地があると見ている。その鍵となるのは、日本銀行が9月にも追加利上げを行う可能性が非常に高いことだ。
米国と日本の共同介入は短期的な効果しか持たず、根本的な問題は「なぜ円安が続いているのか?」ということにあると指摘する。
その理由は、多くの投資家が「キャリートレード(Carry Trade)」を行っているためだ。
なぜ円がターゲットにされるのか?
それは、日本の金利が極端に低いからだ。今年に入って一度利上げは行われたが、日本銀行の政策金利は依然として0.1%にとどまっており、G7各国の中で最も低い水準にある。
当然ながら、借り入れコストが最も安い円が選ばれ、多くの投資家が長期間にわたり円安を予想して取引を行ってきた。
キャリートレードとは?
簡単に言えば、低金利の通貨を借りて、高利回りの資産を購入し、その利ざやを稼ぐ取引のことだ。
国際的なキャリートレードの中でも、特に規模が大きく、古典的なのが「円キャリートレード(Yen Carry Trade)」である。
なぜ今回の介入は効いたのか?
朱岳中氏は、日本銀行が今年だけで2度の為替介入を実施していると説明する。
1度目は4月から5月にかけてで、約700億ドル以上を投入。2度目が今回で、またしても700億ドル以上が市場に投入された。
一方、アメリカは今回、およそ50億から100億ドル程度を拠出した。
なぜ短期間に効果が出たのか?
最大の要因は、「アメリカが口を出した」ことだ。
もし日本だけが介入を行っていた場合、投入した資金はただの水泡に帰していた可能性が高い。
しかし、アメリカが加わったことで、そこに「日銀の利上げ」というシグナルも重なり、「これからも円を空売りし続ければ、損切りを強いられる(軋む)」というメッセージが市場に伝わったのだ。
アメリカが日本を支援する真の理由
朱岳中氏は、アメリカがなぜ日本を支援する形で動いたのか、メディアがまとめた3つの理由を紹介している。
1つ目は、「日本が米国債を売却することを恐れている」ことだ。
日本は世界最大の米国債保有国であり、保有額は1.1兆ドルを超える。
このところ、円安対策として日本政府は実際に米国債を売却し続けており、それが米国債利回りの上昇(価格下落)の一因となっている。
そのため、アメリカとしては、自ら資金を出して日本を支援せざるを得なくなったのだ。
2つ目の理由は、「日本国債の利回りが上昇している」ことだ。
例えば30年物国債の場合、日本とアメリカの利回り差は1.2%未満まで縮小している。
もし市場が日本銀行の利上げや円高を予想すれば、これまで米国債を持っていた投資家の一部が、米国債を売って日本国債を買う動きに出る可能性がある。
日本にとっては、弱い円を是正する唯一の方法が利上げであり、キャリートレードを抑制するには、他国と同水準まで金利を引き上げる必要があるのだ。
さらに別の懸念として、日本企業が海外に保有する資金が3.6兆ドルに達している点が挙げられる。
過去数十年間、日本は低金利、さらにはマイナス金利政策を続けてきたため、海外に資金が留まってきた。
しかし、もし円高が進めば、これらの日系企業が海外資金を日本へ還流させる可能性が高くなる。
問題は、その資金がどこから引き揚げられるかだ。
その多くはアメリカから引き抜かれるだろう。
アメリカにとってはまさに「剉咧等(挫咧等)」——困ってしまう状況だ。
保守的に見ても、日系企業がアメリカに保有する資金は数千億ドル規模にのぼる。
すべてが一気に還流するわけではないが、ある程度の大規模な資金移動があれば、アメリカの金融市場は大きな影響を受けるだろう。
だからこそ、アメリカが本当に日本を助けようとしているのではなく、自分自身を守るために動いているのだという。
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- 出典:PR Times
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