日本政府は4日、『2026年防衛白皮書』を公表し、中国を再び『前所未有かつ最大の戦略的挑戦』(the greatest strategic challenge)と位置づけた。これは2022年末の『国家安全保障戦略』改定以来、日本が数年連続で同じ安全保障判断を維持していることを意味する。 表面的には、これは近年の政策の継続に見えるかもしれない。しかし、真に注目すべきは表現の強硬化ではなく、白皮書が示すもう一つのシグナルである――日本が中国を「対処すべき脅威」から「長期的に競わなければならない戦略的対手」として認識し始めていることだ。 中国外交部は、日本が新版『防衛白皮書』において地域の緊張を意図的に誇張し、「中国脅威論」を煽り、中国の正常な国防建設や軍事活動に批判を加えていると非難。すでに日本側に厳重な抗議を行った。 中国が新たな『出入国管理規定』を施行した後、日本は中国により「高リスク国」と指定され、これにより中国人観光客の日本旅行への関心も高まっている。 2021年10月、米日英豪はインド太平洋地域で海上共同演習「Maritime Partnership Exercise」を実施した。(第七艦隊公式サイトよりキャプチャ) 「中国脅威論」から「中国競争論」へ 今年の白皮書は、中国の軍事力の急速な拡大、東シナ海および台湾海峡における軍事活動、日露軍事協力への懸念を継続して示している。同時に、中国、ロシア、北朝鮮間の安全保障上の連携がますます緊密になっている点について、初めてより詳細な分析を加えている。 過去と比べて、白皮書の最大の変化は批判の量が増えたことではなく、日本が中国をより大きな戦略的枠組みに位置づけ始めたことだ。 注目に値するのは、今年の白皮書がアニメや漫画、生活感のあるデザインを用いて若年世代に防衛政策を説明しようとしている点だ。これは単なる広報手法の刷新に見えるが、背後には「国防を国民全体が参加する国家的プロジェクトにする」という政策目標が反映されている。 日本社会は長年にわたり平和憲法の影響を受けており、自衛隊は高い信頼を得ているものの、過度な軍事化を連想させる政治的表現は避けられてきた。 過去の日本の安全保障政策は主に「本土防衛」と「日米同盟」に集中していたが、現在はインド太平洋の安全保障、サプライチェーンの強靭化、防衛産業、人工知能、無人機、経済安全保障など、多領域にわたる競争へと徐々にシフトしている。 これに対して、中国の軍事研究者はSNS上で「日本新版『防衛白皮書』は単なる安全保障評価ではなく、近年の大幅な軍事費増額、反撃能力(Counterstrike Capability)の取得、防衛産業政策の推進を正当化するために、中国の軍事発展を意図的に誇張している」と指摘している。 中国軍機が頻繁に外国軍機と接近している。図は中国が台湾海峡周辺で実施した軍事演習。(資料写真、新華社) 台湾は依然として核心、日朝露東北アジア情勢が鍵 歴年の日本『防衛白皮書』は台湾海峡に高い関心を示しており、今年も台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、台湾情勢が日本の安全保障と直接関連していると繰り返している。 しかし、過去に台湾に焦点を絞っていたのに対し、今年の白皮書はより広範なインド太平洋の安全保障環境に重点を置いている。東シナ海、南シナ海、第一列島線、無人作戦、ミサイル防衛、経済安全保障、防衛産業などが、同一の安全保障枠組みに組み込まれている。 これは、日本の思考が「台湾で衝突が起きた場合、日本がどう対応するか」から、「戦争が起きない状況で、中国とどのように全方位的に競争を続けるか」という方向へと変化していることを意味する。 中国国防部は直ちに「内容に虚偽の記述が満載されている」と批判し、日本が「中国脅威論」を煽って自国の軍拡を正当化していると非難。中国内政への干渉をやめるよう要求した。こうした応酬は近年、ほぼ定番のパターンとなっている。 日露軍事協力はもう一つの大きなリスク要因として強調されている。白皮書は、両国の連合爆撃機パトロール(2025年12月および2026年6月に四国沖まで飛来)、艦艇の共同航行範囲が日本海、オホーツク海、西太平洋、東シナ海まで拡大、日本の排他的経済水域内での実弾射撃などについて詳細に列挙している。これらの行動は「我が国に対する威嚇活動」と位置づけられ、戦略的協力がさらに深化していることが示されている。北朝鮮がロシアに武器弾薬を提供し、兵士を派遣する協力も、中長期的に自国の軍事力を強化する可能性があるとされている。 日本が真に変えたのは「時間軸」 2022年の『国家安全保障戦略』は制度変革の出発点だった。2023年から2025年にかけて、日本は徐々に防衛予算を増額し、反撃能力を取得し、防衛産業改革を推進した。そして2026年の白皮書は、さらに社会的合意を形成し、安全保障政策を長期的な国家プロジェクトとして定着させようとしている。 注目すべきは、今年日本が再び中国を「最大の戦略的挑戦」と位置づけたかどうかではない。この判断はすでに公式の共通認識となっているからだ。 むしろ重要なのは、日本が中国を3年や5年の危機管理的思考で捉えるのではなく、10年から20年の国家競争的視点で安全保障政策を設計し始めたことだ。 東京にとって、中国はもはや防衛すべき軍事的脅威ではなく、日本の国家発展の方向性に影響を与える長期的な戦略的変数なのである。
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- 出典:PR Times
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