千呼万喚、7月4日の会議記録がついに公開された。公開されなければ気づかなかったことだが、公開された内容はすべての人を驚かせた。厚生労働省の高官たち、特に食品医薬品管理局(食薬署)は、まるで社会に出て間もない新人のように無防備だった。中聯油が実地調査もなしに提出した一方的な説明を、なぜか完全に信用してしまったのだ。

17ページにわたる会議記録を読むと、背筋が凍る思いがする。行政執行権を持つ監督機関として、食薬署は事件発生直後、工場内の原本ログブックの押収、仕入れ伝票の抜き取り検査、現地調査といった基本的な手順を一切行わず、むしろ大々的に専門家座談会を開催した。その場には中聯油の経営陣が招かれ、「ブラジル産大豆の水分が高すぎた」「気候の影響で混在が起きた」などという天災論を堂々と展開した。

まるで業者に操られるかのような「はんこ機関」と化した官庁の姿だ。官僚と専門家たちは冷房の効いた会議室で、業者の話に熱心に耳を傾け、改善提案まで行っていた。会場には奇妙なほど温かい指導の雰囲気が漂っていた。

ここで問わざるを得ない。食薬署は本当に業者の策略に気づけなかったのか、それとも意図的に業者の肩を持つ形で「行政的避難港」を用意したのか。野党の国会議員が「厚生労働省は門番になるな」と叫ぶのも無理はない。

法治国家における食品安全監督の鉄則は、「先に調査し、その後で協議する」ことだ。行政機関は探偵のように、現場から押収した客観的証拠に基づいて判断すべきである。しかし食薬署は因果関係を逆転させるような無謀な対応を見せ、中聯油が主張する「製造プロセスは常に正常だった」「6月下旬に初めて超過を確認し、自主的に通報した」という主張を無条件に受け入れた。

実地調査データが存在しない「盲目的評価」状態では、招かれた専門家たちも業者によって精巧に加工された情報しか受け取れない。入力される情報が業者が捏造した嘘(ガーベジ・イン)であれば、出力されるリスク評価も無意味なゴミ(ガーベジ・アウト)にすぎない。

この会議は国民の健康を守るどころか、客観的には中聯油が後から「行政指導に積極的に協力した」と主張するための法的盾として利用された。まさに行政の権威を悪用した形だ。

司法機関と第三者調査チームの介入がなければ、真相は今も闇に葬られていたかもしれない。台中地方検察庁による刑事捜査と、独立調査チームの工場突入調査がなければ、国民はいまだに欺かれたままだった。

その後明らかになった事実と照らし合わせると、7月4日の会議は極めて皮肉なものに映る。

まず、原料検収に関する虚偽だ。中聯油は会議で「天災による混在豆」として責任を自然災害に転嫁したが、調査の結果、同社が熱損粒の検収基準を10倍も緩和(0.5%から5%へ)していたことが判明。明らかに仕入れ量確保のために、原料の源流管理を放棄していた。

次に、製造工程の虚偽だ。中聯油は「工程は完全にコントロールされていた」と胸を張ったが、実際のログデータを確認すると、脱ゲル工程のパラメータが4月から長期にわたり基準値を超えていた。さらに脱色工程では、活性白土の投入量を規定量より大幅に削減するなど、コスト削減のための手抜きが確認された。

そして、自主通報に関する虚偽だ。中聯油は「責任ある企業として早期に自主通報した」と自画自賛したが、検察の調査で、下流の業者が5月にすでに超過を通知していたことが発覚。それにもかかわらず、経営陣は約1か月間、事実を隠蔽し続けた。

食薬署が業者の嘘を見抜けなかったのは「無能」なのか、それとも黙認して共犯関係にあったのか――いずれにせよ、この会議は官僚組織の怠慢と無責任さを白日の下に晒した。

この事件は、食薬署の危機管理プロセスに重大な欠陥があることを示している。行政監督は「業者を信頼する」ことではなく、「信頼しつつ検証する(Trust, but verify)」という現場データに基づく厳格な姿勢に立つべきだ。業者の弁解を聞いてから改善点を一緒に探すようなやり方は、専門家会議の権威を損ない、国民の食品安全監視体制への信頼を深く傷つけた。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:ニュース