国軍漢光42号演習は昨日(5日)から10日間9夜にわたる操演を開始した。今回の演習では、戦力や武器の検証に加え、近年の台米間の軍事交流が表立つようになり、「美語老師」と呼ばれる米国人関係者の参加が注目されている。一方、『ウォールストリートジャーナル』は「Deep U.S. Ties With Taiwan Are Surviving Pressure From China—and Trump」と題する記事で、台米間の軍事・海上保安分野での協力が従来の低調姿勢から脱却しつつあると報じた。これについて、在米学者の翁履中氏は6日、フェイスブックで「トランプ時代の台米関係が緊密になるほど、台湾はその代償をしっかり計算すべきだ」と分析。台米関係を高調にすること自体は否定しないが、そのたびに「何を払って」「何を得るか」が重要だと指摘した。
台米の軍事交流が表立つようになったのか?防衛大臣の顧立雄氏はどう語ったか?『ウォールストリートジャーナル』の報道によると、過去の台米軍事協力は「低調・非公開」が原則で、北京を刺激しないよう配慮されていた。しかし最近では、台米の海上保安機関が共同訓練で並走する写真が公開されたり、当局が安全保障協力を直接言及したり、米側が退役・現役要員を派遣して訓練支援を続けるなど、協力の透明性を高める動きが目立つ。報道では、台湾政府は有事の際に米軍が必ず参戦すると仮定していないとも述べている。
また、防衛大臣の顧立雄氏は漢光演習開始前にメディア取材に対し、台米間の軍事交流は「皆さんが想像する以上に密接に行われている」と語った。一般に目にする「美語老師」はその一部にすぎず、米太平洋軍司令部が多方面で台湾の防衛戦力向上を支援していると明かした。
台米の安全保障協力がますます高調になっているのか?『ウォールストリートジャーナル』の報道内容とは?翁履中氏は、同紙の報道を引用し、台湾政府が安全保障協力を公然と語るようになり、防衛当局者が同紙に、後備役制度改革、後方支援、指揮通信、訓練など多分野にわたる軍事交流があると語ったと紹介。また、米国在台協会(AIT)は、台湾海巡と米沿岸警備隊の艦艇が並走する写真を公開していると指摘した。一方で、AIや高級半導体の需要拡大が台湾の輸出と経済成長を支え、グローバルサプライチェーンにおける重要性が高まっているが、トランプ政権は台湾に対して投資拡大や貿易条件の見直しを求める可能性があると分析。さらに、台湾経済には賃金、伝統産業、人口構造などの構造的リスクも残っていると指摘した。
台米協力の高調化にはリスクがあるのか?トランプ氏は対価を重視するのか?翁履中氏は、台湾が台米関係を悲観する必要はないが、トランプ政権下では「安全保障の代償が高くなる」との認識が必要だと分析。米国が市場、技術、安全保障を提供する場合、同盟国は軍購、エネルギー調達、投資、関税などで対価を支払う必要があり、特に半導体の生産能力と人材が焦点になる可能性があると指摘した。台湾が海警・軍事協力を高調にアピールすることは、中国に対して台米関係の堅固さを示し、国民の安心感を高める効果があるが、「協力が公開されればされるほど、ワシントンは台湾にさらに多くを求めやすくなる」と警告した。実際、台米の安全保障協力は長年にわたり継続しており、過去は「美語老師」の存在を公にしなかったため、問題視されなかった。しかし、今回の高調化によって「コストがどれだけ上昇したか」が問われるようになる。トランプ氏の視点では、「米国が台湾を支援している」という事実は、「それだけの安全保障サービスを提供しているのだから、台湾はどれだけ支払う用意があるのか」という計算につながると分析した。
台湾は高調な協力リスクにどう対応すべきか?翁履中氏は「交渉カードと代償を明確にすべき」と提言。翁氏は、台米協力に反対するわけではないが、重要な協力ほど高調にすべきではないと指摘。高調にしても中国が過剰反応しない一方で、「トランプ氏は計算機を取り出す」と述べた。台湾の対応策として、翁氏は、米国が台湾の半導 体、サプライチェーン、地政学的立地を必要としている一方、台湾も米国の市場と安全保障協力を必要としていると分析。したがって、米国の支援を「一方的な恩恵」と見なすべきではなく、「米国が台湾を支持する」ことを無償の保証とすべきではないと強調した。重要なのは、戦略的価値をより良い条件に交換できるかであり、防衛予算を増やすなら本当に必要な装備を、投資を拡大するなら市場・技術・人材協力を、半導体戦略では研究開発の核と産業優位性を守るべきだと述べた。結論として、成熟した台米関係とは、米国の支援を「政治的花火」として扱うのではなく、何をどれだけ支払ったかを明確にすることだと総括した。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:イベント
- 関連組織:アメリカ在台協会(AIT) / ウォールストリートジャーナル