「台湾のバークシャー」とも「株拾い師」とも呼ばれる葬儀業のリーダー、龍巖(リュウガン)。2023年第2四半期の財務報告によると、純資産が25.24億円増加(前四半期比8.78%)し、一株当たり純資産は68.39円から74.40円へと急騰しました。これは一四半期で6.01円の増加です。一方、当期純利益は1株当たり0.74円にとどまっており、なぜこれほど純資産が急増したのか疑問が生じます。
財務専門家・葉育碩(イエ・ユーシュオ)氏がフェイスブックで分析したところ、その鍵は龍巖が保有する投資株式にありました。龍巖は生前契約の収益を銀行に預けるのではなく、積極的に株式市場に投資しており、特にパンデミック期間中に米中両国の主要テクノロジー企業に大量にポジションを構築しています。
保有銘柄は以下の通りです。
- 台湾株式:台積電(TSMC)、大立光(Largan)、広達(Quanta Computer) - 米国株式:Alphabet(Google)、Microsoft、Berkshire Hathaway、Amazon、Visa、Intel
葉氏は、2023年5月に龍巖が8.75万株のIntel株を平均118.89ドルで売却したと指摘。この取引により約2.05億円の利益を実現しました。この利益は直ちに四半期のEPSに全額計上されるのではなく、株主資本の「その他の包括利益」から利益剰余金に振り替えられます。売却後も、龍巖は約13.15万株のIntel株を保有しています。
つまり、第2四半期の純資産急増は、当期利益ではなく、株式評価の上昇と売却益による資本の増加が主因です。EPSが0.74円でも、一株当たり純資産が6.01円も上昇するのは、こうした会計処理と投資戦略によるものです。
葉氏は、「龍巖の本当の価値は墓地や納骨堂ではなく、長年にわたって積み上げてきたテック株のポートフォリオにある」と分析。投資家は「葬儀株」としてではなく、「米国大型テック株のバスケット投資」として龍巖を見たほうがよいと提言しています。
ただし、葉氏はリスクも指摘。株価が下落すれば、純資産も同様に減少するため、評価変動リスクは常に存在すると警告しています。一方で、自身も龍巖株を保有しており、「これは葬儀会社ではなく、米国テック株のファンドのようなもの」と語っています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース
- 関連組織:Alphabet / Microsoft / Berkshire Hathaway