2022年、国民党は8年ぶりに台湾の玄関口・基隆市を取り戻した。元立法委員の謝國樑は、当初あまり期待されていなかったにもかかわらず、民進党の立法委員・蔡適応を破り、基隆市長に当選した。その後、2024年の総統選挙を経て、同年中には民進党が基隆東岸モールをめぐる争議をきっかけに、市民団体『山海公民拆樑行動』を通じて謝國樑に対する罷免運動を展開した。罷免投票は2024年10月13日に実施され、最終的に『不信任』票が86,014票で『信任』票の69,934票を上回り、罷免案は失敗に終わり、謝國樑は市長職を継続することになった。

2025年、台湾では史上最大規模の『大罷免』運動が勃発した。民進党は各地の市民団体を通じて、国民党所属の地域立委や新竹市長・高虹安らに対する全面的な罷免運動を展開。その一環として、基隆市の国民党籍立法委員・林沛祥も罷免請求を受けた。投票の結果、『不信任』票は96,294票、『信任』票は65,143票で、これもまた罷免失敗に終わった。

この2度の罷免結果から見ると、『不信任』票は藍と白の連携(藍白合)による基本盤の拡大と解釈できる。一方、『信任』票を民進党の基本盤と見なすと、やや縮小傾向が見られる。このため、2026年に基隆市長の連任を目指す謝國樑は、党内部では『寝たきりで当選できる』(躺著選)と見なされている。

しかし、『風伝媒』が入手した情報によれば、謝國樑陣営が6月から7月にかけて行った選挙情勢の評価では、状況はそれほど楽観視できないという。党内の楽観論とは対照的に、支持層の固まりが不十分であること、特定の地域や世代での支持率の低下、そして民進党が推す候補――特に頼清徳総統の甥とされる人物――への支援が、国民党元議長やいわゆる『復讐者』と呼ばれる地方勢力によって強化されていることが明らかになった。これらの勢力は、過去の政治的対立を背景に、謝國樑に対する反発を組織的に煽っている。

特に注目されるのは、基隆東岸モールの運営権をめぐる争いが政治的対立の象徴として機能している点だ。市府が民間企業に運営を委託したことを巡り、『市民の財産を私物化』との批判が上がり、これが罷免運動の火種となった。しかし、支持者側は『透明なプロセスで契約を締結した』と反論し、法的根拠を強調している。この問題は単なる施政評価を超え、政権への信頼性を問う象徴的争点に発展している。

さらに、2025年の大罷免運動では、民進党が『民主防衛』をスローガンに、地方政治への介入を強めている。基隆においても、若年層や中間層の間に不満がくすぶり、投票行動に影響を与えている可能性がある。謝國樑陣営は、SNSや地域イベントを通じて支持喚起を図っているが、有権者の関心は経済対策や都市再生よりも、政治的対立そのものに向かっているとの指摘もある。

今後の展開として、2026年の市長選挙は、単なる政策対決ではなく、『政権への信任』を問う全国的な代理戦争となる可能性が高い。謝國樑が『躺著選』とされる背景には、国民党と民眾黨の協力(藍白合)による票の集中があるが、その連携は選挙直前まで不安定なまま推移する恐れがある。また、民進党が擁立する候補が頼清徳総統の親族である点は、『政治の世襲』を巡る倫理的議論を呼び、逆に支持を固める要因となるかもしれない。

結論として、謝國樑の連任情勢は表面的には安定しているが、内部評価では危機感が高まっている。『躺著選』という楽観論は、有権者の関心の変化や、反対勢力の組織的動員という現実を過小評価している可能性がある。今後は、政策の具体化と信頼回復が最大の課題となるだろう。

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  • 出典:PR Times
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