SpaceXとCoreWeaveがAIサーバーの調達戦略を見直し、Dellなどのブランドメーカーを通さず、台湾のODM業者に直接発注する方向にあると伝えられている。アメリカの投資銀行ジェフリーズ(Jefferies)が実施した最新のサプライチェーン調査によると、台湾には現在4つの大手メーカーがこの交渉リストに名を連ねており、最早2027年にも新たな受注チャンスが訪れる可能性がある。第一波の導入では、NVIDIAの次世代Vera Rubinアーキテクチャを採用したVR200ラックが使われる見込みだ。今後、この取り組みが実現すれば、4社の台湾メーカーは新たなAIサーバーのビジネスチャンスを獲得できるだけでなく、Dellがこれまで握ってきた受注シェアも再分配される可能性があり、次世代AIサーバーのサプライチェーン地図に大きな影響を与えるだろう。

SpaceXとCoreWeaveが直採購へ 台湾4大ODMが注目株

ジェフリーズの最新流通調査では、SpaceXとCoreWeaveがAIサーバーの調達プロセスを見直しており、今後はDellなどのブランドメーカーに完全に依存せず、ODM事業者と直接連携する方針であることが明らかになった。市場で名前が挙がっている台湾のメーカーは、鴻海、広達、緯穎、緯創の4社である。大規模なクラウドやAI演算需要を持つ企業がODMに直接発注するというモデルは、業界では初めてではない。Google、Meta、Microsoftなどの超大規模クラウドプロバイダーは、過去からこうした方式を広く採用してきた。今回の注目点は、SpaceXとCoreWeave自体がAIインフラの重要な需要サイドであるという点にある。両社がODM直採購の比率を高めれば、台湾のサーバーメーカーが大規模な演算需要を持つ顧客と直接接点を持つ機会が増えることになる。

VR200が潜在的な導入機種に 単体価値が大幅に上昇

ジェフリーズは、新たな調達モデルが確立すれば、早ければ2027年から導入が開始され、その起点としてNVIDIAのVera Rubinアーキテクチャに基づくVR200ラックが使用されると指摘している。現行のBlackwell世代と比べて、Vera RubinプラットフォームのAIラックは仕様と単体価値の両面でさらに向上している。ジェフリーズの推定では、VR世代のラックの平均販売価格(ASP)は約800万900万ドルに達する見込みで、現行のGB200 NVL72の約300万ドルを大きく上回る。これは、AIサーバー市場が出荷台数の増加に加えて、次世代プラットフォームの仕様強化によって単一ラックの価値も同時に高まっていることを意味している。ただし、サーバーのASP上昇がODMの粗利益率の同等の増加につながるわけではない。高階層GPU、液冷、電源、その他の部品コストも同時に上昇しているため、実際の収益性は製品構成とコスト管理に左右される。

鴻海のGB300出荷が加速 2026年下半のAIサーバー業績に注目

次世代のVera Rubinプラットフォームに加えて、ジェフリーズは鴻海の現行Blackwellサーバーの出荷ペースにも期待を寄せている。同社は、鴻海が2026年下半にGB300ラックを約1万5000~2万ラック出荷すると予測しており、2027年にはさらに成長が続くと見込んでいる。GB300 NVL72ラックの単価を基に算出すると、これらの出荷規模は鴻海のAIサーバー事業にとって一定の支えとなり、市場は2027年のVR200の潜在的受注に注目する一方で、鴻海の2024年下半からの出荷進捗も注視している。

広達、緯穎、緯創も注目 受注配分が今後の鍵に

鴻海以外にも、広達、緯穎、緯創はジェフリーズの調査で言及された台湾のODMメーカーである。緯穎は大規模データセンターおよびクラウドサーバー市場に長年注力しており、広達は世界主要なサーバー製造業者の一つである。緯創も近年、AIサーバー関連の展開を着実に拡大している。現時点ではまだ交渉段階であるため、4社が最終的にどれだけの受注を得られるかは、今後の調達進捗次第である。市場にとって真に注目すべき点は、「4社すべてが恩恵を受ける」という単純な話ではなく、SpaceXとCoreWeaveが最終的にどのサプライヤーを選択するか、そして各ODMの受注割合がどうなるかである。

Dellが受注シェアの圧力を受けるも AI需要は弱まらない

Dellにとっては、大規模AI顧客が徐々にODM直採購の比率を高めていくことは、確かに一部のサーバー受注喪失のリスクを伴う。しかし、今回のサプライチェーン変化の本質はAIサーバー需要の低下ではなく、調達モデルの変化にある。顧客がODMへの直接発注を増やし始めたとしても、短期的にはDellへの発注を完全に停止するわけではない。大規模AI企業は通常、生産能力、納期、サプライチェーンリスクを分散するために複数のサプライヤー戦略を採用しているため、今後はSpaceXとCoreWeaveの実際の調達比率を注視する必要がある。

AIサーバーのサプライチェーンが再編 台湾メーカーが直採購受注を掴めるかが焦点

AIデータセンターの拡張が続く中、サーバーのサプライチェーン競争は単なる製造能力から、顧客関係、生産能力の配分、システム全体の納品能力へと拡大している。今回、SpaceXとCoreWeaveがODM直採購を検討していると報じられたことで、これが実際に実現すれば、台湾のODMがAIサーバーのサプライチェーンにおいてさらに重要な存在となるだろう。市場が注目する4社の台湾メーカーは、鴻海、広達、緯穎、緯創であるが、実際にどれだけの恩恵を受けるかは、最終的なサプライヤー選定、VR200の量産スケジュール、および受注配分次第である。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:調査
  • 関連組織:SpaceX / CoreWeave / Dell
  • 製品・サービス:AIサーバー / VR200ラック