被相続人が死亡前2年以内に特定の親族に財産を贈与する場合、その財産は『擬制遺産』として相続税の課税対象となる。これまで、相続人が『相続放棄』することで、税負担を他の相続人に押し付ける事例が発生していた。特に、ある富豪が生前、大部分の財産を正妻とその子に贈与した後、彼らが相続放棄したことで、名義上の遺産が未成年の私生子に残り、巨額の相続税負担が課されるという問題が起きた。

この事例を受けて、憲法裁判所は2024年10月28日、現行の『擬制遺産』計算方法が税の公平性を損ない、憲法違反の疑いがあると判断。これを受け、財政部と立法院は制度改正を進め、『受贈した額に応じて税を負担する』仕組みを導入する。

改正の主なポイントは以下の5つである。

1. 擬制遺産の按分課税:『受贈ればかりして、税は他人が払う』という不公平を解消

被相続人が死亡前2年以内に配偶者や各順位の相続人(子、孫、兄弟姉妹など)に贈与した財産は、従来通り相続財産総額に加算されるが、納税義務者は受贈者本人となる。課税額は、受贈財産が相続財産総額に占める割合に応じて計算され、納税義務の上限は『受贈財産の金額』までとなる。これにより、相続放棄による税負担の転嫁が不可能になる。

2. 配偶者の税負担軽減:配偶者に対する贈与財産を『現存財産』とみなす

被相続人が死亡前2年以内に配偶者に贈与した財産は、被相続人の『現存財産』として扱われる。また、この財産は『配偶者の財産分与請求権』の履行財産として使えないため、結果的に配偶者の控除額が増加し、税負担が軽減される。

3. 実物抵繳の30万元门槛を廃止

現金が不足する相続人が、遺産の不動産や有価証券で税金を支払う場合、従来は30万元以上の抵繳しか認められなかったが、この门槛が撤廃される。これにより、小額でも柔軟に実物で納税できるようになる。

4. 多数決による遺産預金での納税

相続人が意見を統一できず、税金の支払いが遅れる事態を防ぐため、『多数決』で被相続人の遺産預金を直接税金支払いに使用できるようにする。これにより、一部の相続人の拒否で手続きが滞るリスクが低減される。

5. 分期納付と徴収期間の再計算

延期・分割納付が承認されたが、期日までに一括納付が行われなかった場合、徴収期間の起算日を再設定する規定を明確化。納税者の資金繰り支援と、税務当局の徴収効率向上を両立する。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
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