住宅価格が高止まりする中、多くの若者が住宅購入の際、親に頭金の準備を手伝ってもらっている。しかし、親が一度に500万円を出して子の購入を支援した場合、この金額は国税局によって贈与とみなされる可能性がある。その判断は、物件の登記名義だけではなく、誰が購入契約を結び、誰が出資し、その後の住宅ローンを誰が負担するかによって異なる。 財政部台北国税局は2026年2月12日、ニュースリリースを発表し、子が自ら購入契約を結び、親が現金を贈与して頭金を支払うケースと、親が自ら出資して購入し、物件を子名義に登記するケースは、異なる贈与の形態であり、贈与価額の計算方法も異なると説明した。親が同じように子の住宅購入を支援しても、納める贈与税の額は大きく異なる可能性がある。 父が500万円を贈与した場合、贈与税はいくらか? まず最も単純なケースを想定する。物件を子が自ら契約し、住宅ローンも子が負担する。その上で、父が頭金として500万円を子に振り込む。この500万円は、原則として父から子への現金贈与とされる。 財政部北区国税局は2026年1月26日、2026年度の贈与税年間非課税枠は1人あたり244万円であると発表した。この非課税枠は「贈与人」ごとに適用される。つまり、1人が1月1日から12月31日までの間に、誰に何回贈与しても、合計で244万円までが非課税となる。年間の贈与総額が244万円を超える場合、原則としてその贈与行為から30日以内に申告が必要となる。 したがって、父がその年に他の贈与を行っていない場合、500万円を子に贈与したとすると、500万円-244万円=256万円が課税対象の贈与額となる。現行の贈与税率は、贈与額2811万円以下の場合10%であるため、納付すべき贈与税は256万円×10%=25.6万円となる。 父母それぞれが250万円を贈与すれば、贈与税は1.2万円にまで低下 しかし、500万円を父だけが出資するのではなく、父と母がそれぞれ250万円を実際に贈与した場合は状況が異なる。 贈与税の非課税枠は「贈与人ごと」に適用されるため、父には244万円の非課税枠があり、母にも244万円の非課税枠がある。このため、父が250万円、母が250万円を贈与した場合、父は6万円、母も6万円が非課税枠を超える。それぞれ6000円の贈与税が発生し、合計で1.2万円となる。 ただし、重要な前提がある。これはあくまで父と母が実際にそれぞれ贈与した場合に限る。父が実際には500万円を出資し、その半分を母の名義と主張しても、国税局は実際の取引と資金の流れに基づいて判断する。したがって、父母双方の非課税枠を利用したい場合は、銀行振込や口座の出金履歴など、金銭の流れを明確に示す証拠が必要となる。 言い換えると、「子が年間488万円まで非課税で受け取れる」わけではない。父が年間244万円の非課税枠を持ち、母も同様に244万円の非課税枠を持つ。これらはそれぞれの贈与人に帰属する。 物件の登記名義が子でも、頭金だけでなく不動産全体が贈与とみなされる可能性がある 注意すべきは、親がどのように購入を支援するかという点である。 財政部台北国税局が2026年2月12日に発表した公式事例によると、物件の総額が1800万円、頭金が360万円、残り1440万円を銀行ローンで賄う場合を想定する。子が自ら購入契約を結び、ローンも自ら申請し、父が頭金の360万円を贈与する。その後の1440万円のローン返済も子が行う場合、父の贈与額は360万円となる。244万円の非課税枠を差し引いた116万円に10%の税率が適用され、贈与税は11.6万円となる。 しかし、父が自ら銀行ローンを組んで1800万円の物件を購入し、物件を子名義に登記する場合、状況は異なる。 『遺産及贈與稅法』第5条によると、自己の資金を用いて他人のために財産を無償で取得する場合、原則として贈与とみなされる。取得した財産が不動産である場合、贈与の対象はその不動産そのものとなる。 この場合、贈与額は1800万円の取引価格そのもので計算されるわけではない。同法第10条によると、土地は公告地価、建物は評定標準価格に基づいて評価される。台北国税局の事例では、1800万円の物件の公告地価と評定標準価格の合計が800万円であったため、父の贈与額は800万円とされ、244万円の非課税枠を差し引いた556万円に10%の税率が適用され、贈与税は55.6万円となる。 同じ「父が子のために1800万円の物件を購入する」という状況でも、一つのケースでは贈与税が11.6万円、もう一つでは55.6万円と、取引構造と実際の出資・負債の方法によって大きな差が出る。 頭金は親が出し、ローン返済も親が負担する場合、追加の贈与税に注意 家庭でよく見られるもう一つのパターンは、物件を子名義に登記し、頭金を親が支援する。住宅ローンは子が申請するが、その後の毎月の返済や一括返済は実際には親が出資するというケースである。 この場合、「頭金分の贈与税はすでに課されたので、以降のローン返済は問題ない」と考えるべきではない。 財政部高雄国税局が公表した実例では、ある父親の息子が住宅購入後に銀行から1000万円のローンを借り入れたが、失業により返済不能となった。父親は自身の800万円の定期預金を用いて息子のローンを返済した。国税局はこれを調査し、父親が無償で息子の債務を清算したと判断し、「贈与とみなす」とした。244万円の非課税枠を差し引いた556万円について、贈与税55.6万円を追徴した。 『遺産及贈與稅法』第5条では、請求権の時効内に他人の債務を無償で免除または肩代わりした場合、その免除または肩代わりした債務は贈与とみなされると明記されている。したがって、物件やローンが子名義であっても、実際の返済資金が長期にわたり親から出ている場合、贈与税の問題が生じる可能性がある。 「親は子の生活を支援しているだけ」と主張して生活費扱いはできるか? よくある誤解として、親が子の住宅購入を支援することは「生活費」に該当するため、贈与税はかからないと考えるケースがある。 『遺産及贈與稅法』第20条では、扶養義務者が扶養を受ける者に対して支払う生活費、教育費、医療費は、贈与総額に含めないとされている。財政部の税務ポータルサイトでも、親が子の生活費を支払うケースを例に挙げてこの規定を説明している。 しかし、この規定は、親が子のために支払ったあらゆる費用を自動的に非課税の「生活費」として扱えることを意味しない。住宅購入の頭金は不動産という財産的利益の取得に関わるため、財政部台北国税局は「親が子に現金を贈与して頭金を支払う」ことを贈与税の事例として明確に提示している。したがって、住宅購入が居住のためとはいえ、数百万円の頭金を単に一般的な生活費と見なすことはできない。 子がちょうど結婚するタイミングなら、さらに100万円の非課税枠が使える 子の住宅購入時期が結婚に近い場合、もう一つの合法的な制度に注目すべきである。 『遺産及贈與稅法』第20条では、父母が子の婚嫁の際にそれぞれ100万円以内の財物を贈与する場合、贈与総額に含めないとされている。この100万円の非課税枠は、年間244万円の贈与税非課税枠とは別に適用される。したがって、条件を満たせば、父は244万円の年間非課税枠に加えて100万円の婚嫁贈与非課税枠を利用でき、母も同様である。 財政部北区国税局は2026年2月2日、例を挙げた。夫婦が息子の結婚登記後にそれぞれ344万円を贈与した。このうち、244万円は年間非課税枠を適用し、残り100万円は婚嫁贈与として扱ったため、夫婦ともに贈与税はゼロとなった。国税局は、実務上、子の結婚登記前後6か月以内の贈与は婚嫁贈与と認められると説明し、申告時には戸籍資料や親子の通帳、送金明細などの金銭の流れを証明する書類を準備する必要があると述べた。 したがって、500万円の頭金が父と母がそれぞれ250万円を実際に贈与したものであり、かつ子が婚嫁贈与の要件を満たしている場合、両親がその年に他の贈与を行っていない限り、贈与税を支払わずに済む可能性がある。 国税局が真に注目するのは「どのように購入し、誰が資金を出したか」 総合的に財政部と国税局の規定を見ると、親が子に500万円を出して住宅購入を支援する場合、物件の最終登記名義だけで贈与税の有無を判断してはならない。 子が自ら購入し、自らローンを負担し、親が現金500万円を頭金として贈与する場合は、原則として現金贈与となる。親が自ら出資し、あるいは自らローンを組んで購入し、不動産を子名義に登記する場合は、不動産贈与となる可能性がある。また、ローンが子名義であっても、実際には親が無償で返済している場合、再び贈与が発生する可能性がある。 500万円の頭金支援を例にとると、他の贈与や特別控除がない場合、父が全額贈与すれば贈与税は約25.6万円。父と母がそれぞれ250万円を実際に贈与すれば、合計約1.2万円。さらに婚嫁贈与の要件を満たせば、贈与税がゼロとなる可能性もある。 したがって、親が子の住宅購入を支援する際には、物件の登記名義だけでなく、購入契約者、ローン名義人、実際の出資者、今後の返済者を総合的に考慮し、記録を残すことが重要である。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
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