若者世代が都市を選ぶ基準は少しずつ変化している。有名な旅行文化プラットフォーム『Time Out』が最近発表した「2026年グローバルシティ年次調査」では、18歳から29歳のZ世代を対象にアンケートを実施。その結果、日本・東京が世界で最も住みやすい都市として1位を獲得した。ポルトガル・ポルトとオーストラリア・メルボルンがそれに続き、それぞれ2位と3位となった。アジアの都市では、中国・上海が5位に入り、台湾の若者に人気の韓国・ソウルは14位だった。
2026年 Z世代が住みたい都市 TOP20 ランキング
1. 東京(日本) 2. ポルト(ポルトガル) 3. メルボルン(オーストラリア) 4. エディンバラ(英国) 5. 上海(中国) 6. ニューヨーク(アメリカ) 7. コペンハーゲン(デンマーク) 8. ベルリン(ドイツ) 9. バレンシア(スペイン) 10. バンコク(タイ) 11. ナポリ(イタリア) 12. ケープタウン(南アフリカ) 13. クラクフ(ポーランド) 14. ソウル(韓国) 15. パリ(フランス) 16. アテネ(ギリシャ) 17. メキシコシティ(メキシコ) 18. リオデジャネイロ(ブラジル) 19. バンクーバー(カナダ) 20. ウィーン(オーストリア)
夜生活だけじゃない!Z世代が「外出」を再定義
過去には、ある都市が若者にとって魅力的かどうかを判断する指標として、ナイトライフの活況やクラブ・バー文化の豊かさがよく使われた。しかし、『Time Out』の調査担当者であり旅行ライターのケリー(Liv Kelly)氏は、世間ではZ世代は冷淡で社交的ではないと思われがちだが、実際のデータでは若者は依然として人間関係を求めていると指摘する。ただ、その形態が大きく変わったのだ。週末に飲み歩いて騒ぐことにエネルギーを使うよりも、日常の中に溶け込み、負担が少なく健康的な交流を重視するようになったのである。
ケリー氏は強調する。Z世代が都市の暮らしやすさを測るキーワードは「サードプレイス(第三空間)」だということを。これは自宅や職場・学校以外で、気軽に滞在でき、リラックスして自然に他人と交流できる場所のことだ。調査の評価項目には、生活費、飲食、文化、歩行のしやすさ、緑地の有無、新しい友人を作りやすいかどうかといった多様な指標が含まれている。
東京が1位になった理由:日常の幸福感100%と利便な生活ネットワーク
今回の調査で、東京は非常に高い満足度で1位となった。データによると、東京在住のZ世代の回答者の100%が「日常生活で幸せを感じる」と回答。また、ナイトライフの質についても89%が肯定的に評価した。『Time Out』は、東京が勝利した主な理由として以下の点を挙げている。
- 交通と徒歩の利便性が極めて高い:大規模な公共交通網が発達しており、どこにでも生活感のある街並みへ簡単にアクセスできる。 - 多様で豊かな「第三空間」の存在:スポーツイベントなどのアルコールを使わないテーマのアクティビティを提供しており、若者が飲酒しなくても気軽に社交できる。 - 文化的リソースの豊富さと住宅供給の安定:欧米の多くの大都市が深刻な住宅不足に悩む中、東京は比較的安定した住宅供給があり、これが住みやすさを大きく引き上げている。
ただし、東京にも欠点はある。ナイトライフの消費価格が手頃だと感じたのは、わずか33%の回答者にとどまった。
ポルト、メルボルンが続く。上海とソウルにも光る点あり
2位となったポルトガル・ポルトは、「コミュニティの結束力」と安価な芸術文化活動で知られる。調査対象の全員が地域コミュニティの雰囲気に満足しており、外食、飲酒、文化イベントの費用が妥当だと感じたのは93%に上った。山と海に囲まれた自然環境と多数の安価な文化施設が、若者からの支持を得ている。3位のオーストラリア・メルボルンは、飲食に対する満足度が100%と満点を記録。文化環境についても97%が肯定的に評価した。独立系劇場、ライブミュージック、広大な緑地が都市の最大の特徴となっている。
アジアの他の都市では、5位に入った上海が特に高い「社交のしやすさ」で差を付けた。76%の回答者が「ここで新しい友人を作るのは簡単」と感じており、ここ数年流行している「スマホなしの交流」が、多くの若者が画面から離れて現実の対話を求める動きを後押ししている。一方、ソウルは聖水洞のポップアップストア、安国の韓屋文化ゾーン、安価な屋台料理が織りなす魅力でランクイン。14位となった。すべての若者回答者が歩行のしやすさに満足しており、緑地環境や友人作りのしやすさについても75%が高く評価している。
この最新調査から明らかなのは、現代の若者が理想とする都市像が「お金を稼いで飲み明かす」ものから、自由に歩き回れ、緑に触れ、日常の余暇を負担なく楽しめる。そして、アルコールのプレッシャーがない中で帰属意識や生活のつながりを見つけられる都市へと変わってきているということだ。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:調査
- 関連組織:Time Out
- 製品・サービス:都市ブランド評価 / ライフスタイル調査