口腔機能・姿勢・発達に関する歯科医院向け教育・導入支援を行うTHDCLLC(所在地:【所在地】、代表:堀尾麻衣)は、歯科医院における口腔機能管理を継続可能な診療として定着させるため、患者教育とスタッフ教育を同時に進められる「口腔機能管理支援教材【正式名称】」を開発しました。
政府は「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」において、「口腔と全身の健康の関係に基づく歯科疾患対策・口腔健康管理」を推進する方針を明記しています。
主要指標 — KEY FIGURES
一方、厚生労働省の調査では、小児口腔機能管理料を算定していない理由として、診断基準や指導方法が分からない、人員が不足している、算定要件が複雑であるといった、歯科医院側の教育・運用上の課題が示されています。
本教材は、患者や保護者に見せて説明する教材と、スタッフが口腔機能について学ぶ教育教材を一体化。口腔機能管理を一部の担当者に属人化させず、歯科医院全体で継続できる院内運用を支援します。
提供開始:【2024年6月1日】 詳細URL:https://thdc-llc.com/
本教材の特徴
・患者・保護者への説明とスタッフ教育を、共通の教材で実施
・口腔機能を、姿勢・呼吸・咀嚼・嚥下・生活習慣とのつながりから説明
・評価だけで終わらず、患者説明、指導、家庭での実践、次回来院時の確認までを一つの流れに整理
・スタッフによる説明内容のばらつきや、一部の担当者への属人化を防止
・歯科医師・歯科衛生士・歯科助手が共通認識を持てる院内教育に活用
・新人教育やスタッフ交代時にも、同じ流れで口腔機能管理を継続
国は「口腔と全身の健康」を政策課題として位置づけ
2026年7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」、いわゆる骨太方針2026では、予防・健康づくりの推進策として「口腔と全身の健康の関係に基づく歯科疾患対策・口腔健康管理」が明記されました。
同方針の脚注では、口腔健康管理にオーラルフレイル対策等を含むことも示されています。
また、「経済財政運営と改革の基本方針2026 政策ファイル」では、「いわゆる国民皆歯科健診の具体化」とともに、「口腔と全身の健康の関係に基づく歯科疾患対策・口腔健康管理」が、今後推進する政策として整理されています。
歯科医療に求められる役割は、むし歯や歯周病を発見して治療することだけでなく、食べる、飲み込む、話す、呼吸するといった口腔機能を継続的に管理し、生涯にわたる健康を支える方向へ広がっています。
診療報酬制度は拡充。しかし、現場への定着は進んでいない
口腔機能発達不全症と口腔機能低下症に対する保険診療上の評価は、2018年度診療報酬改定で導入されました。
2020年度には加算から独立した管理料へ再編され、2024年度には「管理」と「指導・訓練」を分けて評価する体系へ見直されました。
さらに2026年度診療報酬改定では、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料について、評価の引上げと対象患者の拡大が行われました。
加えて、研修を受けた歯科衛生士が、主治の歯科医師の指示を受けて口腔機能に関する指導を行う「口腔機能実地指導料」が新設されています。
国の政策と診療報酬制度の双方で口腔機能管理への期待が高まる一方、歯科医院の日常診療に十分定着しているとはいえません。
2023年6月の施設中央値は「0回」
厚生労働省が実施した「令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」では、2023年6月における小児口腔機能管理料の算定回数は、15歳未満の患者について1施設当たり平均5.1回でしたが、中央値は0回でした。
これは、一部の歯科医院では多数の患者を管理している一方、調査に回答した多くの歯科医療機関では、1か月間の算定実績がなかったことを示しています。
算定回数が0回だった歯科医療機関に、その理由を尋ねた結果は次のとおりです。
・該当する患者がいない:45.9%
・該当する患者はいるが、歯科疾患管理の中で口腔機能の管理も行っている:20.4%
・診断に必要な機器を持っていない:18.7%
・算定要件が複雑である:16.5%
・診断基準が分からない:12.9%
・指導のための人員が不足している:9.1%
・指導・管理の方法が分からない:8.2%
・検査・診察等に時間がかかる:7.6%
「該当する患者がいない」という認識に加え、診断基準や算定要件への理解、指導方法、人員、診療時間など、歯科医院側の知識と院内運用に関する課題が、口腔機能管理の定着を妨げる背景となっています。
また、厚生労働省の中央社会保険医療協議会では、2024年度に新設された口腔機能指導加算を算定していない理由として、「専門的な指導を行う歯科衛生士の確保」「指導時間の確保」が多く挙げられたことが報告されています。
一方、円滑に取り組むための工夫として多かったのが、「院内教育」と「研修の受講」でした。
制度や診療報酬を整えるだけでは、口腔機能管理は定着しません。歯科医師が必要性や診断基準を理解し、スタッフが共通の方法と言葉で患者に説明・指導できる院内体制が必要です。
口腔機能発達不全症は「歯並びだけ」の問題ではない
口腔機能発達不全症は、明らかな原因疾患がないにもかかわらず、「食べる」「話す」などの口腔機能が十分に発達していない、または正常に獲得できておらず、専門的な関与が必要な状態を指します。
診断・評価項目には、哺乳、離乳、咀嚼、嚥下、構音、口唇閉鎖、口呼吸など、子どもの生活や発達に直結する機能が含まれています。
呼吸との関係
厚生労働省の調査では、小児口腔機能管理料を算定した患者に認められた症状として、「口呼吸」と「口唇閉鎖不全」が多く報告されています。
口呼吸の背景には、鼻疾患、アデノイド・扁桃肥大、口唇閉鎖機能、顎顔面形態、生活習慣など複数の要因があり、口腔機能だけが原因とは限りません。
一方、小児の睡眠呼吸障害は、睡眠の質だけでなく、注意、行動、学習などの神経行動面と関連することが報告されています。
口呼吸やいびきなどが認められる場合、歯科だけで原因を決めつけるのではなく、必要に応じて小児科や耳鼻咽喉科などの専門医療へつなぐことが重要です。
咀嚼・嚥下、誤嚥との関係
食べ物を安全に飲み込むためには、口唇、舌、頬、顎などを協調させ、食べ物を適切な大きさと硬さの食塊にまとめ、咽頭・食道へ送る必要があります。
口腔機能発達不全症の評価項目には、「丸のみ」「咀嚼時間が長すぎる、または短すぎる」「食べこぼし」「嚥下時の舌突出」など、食べ方や嚥下機能に関するサインが含まれます。
ただし、口腔機能発達不全症と診断された子どもが、直ちに誤嚥を起こすという意味ではありません。
食事中のむせ、湿った声、繰り返す呼吸器感染、食事中の呼吸状態の変化などがある場合は、一般的な口腔機能指導の範囲を超える可能性があります。小児科、耳鼻咽喉科、摂食嚥下を専門とする医療機関などによる評価が必要です。
歯科医院には、誤嚥を診断・治療するだけではなく、日常の食べ方に現れる異常のサインを早期に発見し、適切な医療へつなぐ入口としての役割があります。
認知・学習との関係
現時点で、口腔機能発達不全症そのものが、子どもの認知機能を直接低下させるという因果関係は確立されていません。
一方、口呼吸の背景に睡眠呼吸障害がある場合、睡眠の質の低下を介して、注意、行動、学習などに影響する可能性が報告されています。
また、食べる、話す、呼吸するといった口腔機能は、子どものコミュニケーション、生活経験、社会参加を支える基礎的な機能です。
口腔機能発達不全症への対応は、「認知機能を改善する治療」ではなく、子どもの食事、呼吸、発音、睡眠、生活の質を支え、必要な医療や発達支援へ早期につなげる取り組みとして位置づける必要があります。
一つのクリニックで始めた試行錯誤を、全国の歯科医院へ
THDCLLC代表の堀尾麻衣は、自身が勤務する歯科クリニックで口腔機能管理に取り組む中で、制度や専門知識を伝えるだけでは、スタッフの行動として定着しないことを実感しました。
「何が分からないのか」 「患者や保護者への説明で、どこにつまずくのか」 「診療のどの場面で使いにくいのか」 「誰が担当しても続けられる形にするには、何が必要か」
スタッフへの聞き取りを重ね、その回答をもとに説明資料を作成。実際の診療で使用してもらい、再び聞き取りを行って修正する。
この工程を繰り返しながら、専門知識を教えるだけの教材ではなく、患者への説明、家庭での実践、次回来院時の確認までを一つにつなげた院内運用を構築してきました。
その過程でたどり着いたのが、患者教育とスタッフ教育を分けないという方法です。
スタッフが教材を使って患者や保護者に説明することが、そのままスタッフ自身の実践教育になる。共通の教材と言葉を使用することで、説明内容のばらつきや、一部のスタッフへの属人化を防ぐことができます。
「知識を学ぶ教材」ではなく、「診療で使い続けられる教材」を
本教材は、次の診療導線に沿って使用できるよう設計しています。
1.患者の口腔機能と生活背景を確認する 2.現在の状態を患者・保護者へ視覚的に説明する 3.姿勢・呼吸・咀嚼・嚥下とのつながりを伝える 4.医院で行う指導と家庭での取り組みを共有する 5.次回来院時に変化を確認し、継続管理につなげる
単に教材を配布するのではなく、「誰が説明しても基本的な流れがそろう」「患者が自宅で内容を振り返れる」「次回の管理につながる」という院内運用までを支援します。
開発者コメント
THDCLLC代表 堀尾麻衣
「国は口腔健康管理の重要性を示し、診療報酬制度も少しずつ整備してきました。しかし、制度ができただけでは、患者さんや子どもたちには届きません。
私自身、勤務するクリニックでスタッフへの聞き取りと資料作成を何度も繰り返してきました。伝わらなければ直し、使われなければ理由を聞き、診療の流れに合わなければ作り直す。その中で、患者教育とスタッフ教育を一つにするという形にたどり着きました。
歯科医院が子どもの口腔機能のサインに気づき、保護者へ分かりやすく説明し、家庭での実践や必要な医療につなげられる。そんな医院が全国に増えれば、食べること、呼吸すること、話すことに困っている子どもたちを、もっと早く支えることができます。
一つのクリニックで積み重ねてきた仕組みを全国へ届けること。それが私の夢です」
今後の展開
THDCLLCは今後、教材の提供に加え、歯科医院への導入研修、スタッフ教育、院内運用の構築支援を通じて、口腔機能管理を継続できる歯科医院の拡大を目指します。
口腔機能を「歯科医院で指摘されて初めて知るもの」ではなく、患者や家族が日常生活との関係を理解し、育み、維持できるものへ。
国が推進する口腔健康管理を、制度上の評価だけで終わらせず、患者の生活に届く診療として全国の歯科医院へ実装していきます。
引用・参考資料
1.内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」 2026年7月21日閣議決定。口腔と全身の健康の関係に基づく歯科疾患対策・口腔健康管理について記載。 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2026/2026_basicpolicies_ja.pdf
2.内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026 政策ファイル」 国民皆歯科健診の具体化、口腔と全身の健康の関係に基づく歯科疾患対策・口腔健康管理を政策項目として掲載。 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2026/seisakufile_ja.pdf
3.厚生労働省「平成30年度診療報酬改定の概要 歯科」 口腔機能発達不全症・口腔機能低下症に対する保険診療上の評価を掲載。 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203139.pdf
4.厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」 小児口腔機能管理料の算定実績および算定していない理由を掲載。該当箇所:p.112~113。 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001165877.pdf
5.厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】」 口腔機能管理と指導・訓練の評価体系の見直しについて掲載。 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
6.厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会 第629回議事録」 口腔機能指導加算を算定していない理由、院内教育および研修の必要性について報告。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67714.html
7.厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」 小児口腔機能管理料・口腔機能管理料の評価引上げと対象患者の拡大、歯科衛生士による口腔機能実地指導の評価について掲載。 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671913.pdf
8.朝田芳信「小児期における口腔機能の育成について」日本補綴歯科学会誌、2021年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/13/2/13_99/_pdf
9.Chervin RD, et al. “Sleep-disordered breathing, behavior, and cognition in children before and after adenotonsillectomy.” Pediatrics, 2006. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16585288/
10.兵頭政光「小児の嚥下機能評価」小児耳鼻咽喉科、2016年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/shonijibi/37/3/37_256/_pdf/-char/ja
THDCLLCについて
THDCLLCは、「姿勢と口腔を全世代の当たり前に」を理念に、口腔機能・姿勢・呼吸・咀嚼・嚥下・発達を横断した教育、教材開発、歯科医院への導入支援を行っています。
歯科医療の専門知識を患者の日常生活につなげ、口腔機能を育み、維持できる社会の実現を目指しています。
事業者名:THDCLLC 代表者:堀尾麻衣 所在地:【所在地】愛知県豊橋市高師本郷町字北浦62-1 事業内容:歯科医院向け教育、口腔機能管理導入支援、教材開発 Webサイト:https://thdc-llc.com/
メディア関係者お問い合わせ先
THDCLLC 広報担当 担当者名:夏目聖也 メールアドレス:[email protected] 電話番号:080-4952-8020
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:製品開発