2026年9月29日

株式会社ボルテックス

株式会社ボルテックスが、自社運営のオフィスビル情報プラットフォーム『OFFICE RESEARCH®』で直近12カ月(2025年9月~2026年8月)を分析

サマリー

募集価格は全区で上昇:募集平均坪単価(共益費込)は全5区で上昇し+3.3〜+18.8%。2026年8月時点で渋谷区3.37万円/坪〜新宿区2.44万円/坪。上昇率は千代田区+18.8%が最大。

空室率・募集在庫は4区で低下:新宿・渋谷・中央・港の4区で空室率が低下(とくに中央区-1.07pt・港区-0.96ptの低下幅が大きい)、募集在庫(募集面積)も-10.6〜-27.6%と減少。2026年8月時点で渋谷区2.16%が最も低い。

千代田区のみ空室率・募集在庫が増加、ただし主因は大規模ビル:千代田区は区全体の空室率+0.89pt・募集在庫+45.0%と増加したが、これは大規模ビル(空室率+2.21pt)が主因。中小規模(中型・小型・小型未満)はいずれも空室率が低下し、タイト化が続く。

平均上昇は「値上げ」ではない(今号でも再確認):小型オフィスの同一区画(same-store)を前年同月比で追跡すると、5区すべて中央値±0.0%。募集平均の上昇は、割安な区画から決まり相対的に高い区画が募集に加わる「入れ替え」が主因。

「区分所有オフィス®」を主軸に、企業の資産形成・事業承継・財務戦略をサポートし、「100年企業戦略®」のもと資産が健全に循環する社会の実現を目指す株式会社ボルテックス(東京都千代田区 代表取締役社長 兼 CEO 宮沢 文彦、以下「当社」)は、運営するオフィスビル情報プラットフォーム『OFFICE RESEARCH®(オフィスリサーチ)』のデータを基に、東京都心5区(新宿区・渋谷区・中央区・千代田区・港区)の中小規模オフィスについて直近12カ月(2025年9月~2026年8月)の市況を分析した「都心5区 中小規模オフィス市況レポート 2026年9月号」を公開しました。

その結果、募集中区画の平均坪単価は全5区で上昇し、空室率は4区で低下しました。千代田区のみ区全体では空室率が上昇しましたが、その主因は大規模ビルで、中小規模オフィスの需給はむしろ締まっています。

本レポートの読み方(2つの用語)

空室率(募集面積 ÷ 貸付総面積):貸付対象の総面積のうち、募集中として掲載されている面積の割合。本レポートの「空室率(全体)」は全規模を含む区全体の値です。

募集プールの入れ替え:坪単価の安い区画が成約して募集から外れ、相対的に高い区画が残る・加わることで、募集中区画の平均坪単価だけが上がる現象。募集平均の上昇には、この入れ替えの寄与が大きいことを前号および今号(第4章)の同一区画分析で確認しています(個々の値上げとは限りません)。

主要指標一覧(2026年8月時点と直近12カ月の変化)

※空室率=募集面積÷貸付総面積(全規模を含む区全体)。募集在庫=募集面積(実量)。募集平均坪単価は共益費込・単純平均。12カ月変化は2025年9月末と2026年8月末の比較。出典:OFFICE RESEARCH®(株式会社ボルテックス運営)

1. 空室率の動向

図1:都心5区の空室率(%・全規模を含む区全体)推移 出典:OFFICE RESEARCH®(株式会社ボルテックス運営)

2026年8月時点の空室率は渋谷区が2.16%と最も低く、新宿区2.21%、港区2.69%、中央区2.77%、千代田区2.87%。新宿・渋谷・中央・港の4区で1年前より低下し、とくに中央区(-1.07pt)・港区(-0.96pt)の低下が目立ちます。募集在庫(募集面積)も4区で-10.6〜-27.6%と減少し、需給の締まりが続いています。千代田区のみ区全体では空室率+0.89pt・募集在庫+45.0%と増えましたが、その中身は第3章のとおり大規模ビルによるものです。

2. 募集中区画の平均坪単価の動向

図2:都心5区 中小規模オフィスの募集平均坪単価(万円/坪・共益費込)推移 出典:OFFICE RESEARCH®(株式会社ボルテックス運営)

募集中区画の平均坪単価(共益費込)は全5区で上昇し、2026年8月時点で渋谷区が最も高く3.37万円/坪、以下 港区3.11万円/坪、中央区3.03万円/坪、千代田区2.94万円/坪、新宿区2.44万円/坪。上昇率は千代田区+18.8%が最大で、港区+17.5%、中央区+14.9%、渋谷区+14.3%、新宿区+3.3%と続きます。ただしこの上昇は同じ部屋の一律値上げではなく、募集の顔ぶれの入れ替えによる部分が大きい点は前号および第4章のとおりです。

3.【深掘り1】千代田区の空室率上昇の正体 ― 大規模ビル発、中小規模はむしろ締まる

千代田区は区全体の空室率が1.98%→2.87%(+0.89pt)と、5区で唯一上昇しました。しかし規模別に分けると、上昇しているのは大規模ビル(基準階200坪以上)だけで、1.18%→3.39%(+2.21pt)と急伸。とくに2026年7月に1.36%→3.38%へ跳ねており、大規模ビルでまとまった空室が新規募集に出た動きとみられます。実際、千代田区の募集在庫(募集面積)はこの期間に+45.0%と大きく増えており、空室率の上昇(区全体で相対+45%)とも整合します。

図3:千代田区の規模別空室率の推移 出典:OFFICE RESEARCH®(株式会社ボルテックス運営)

表:千代田区の規模別空室率(2026年8月時点と12カ月変化)出典:OFFICE RESEARCH®(株式会社ボルテックス運営)

一方、本レポートの主対象である中小規模は、中型1.96%(-0.94pt)・小型2.69%(-0.54pt)・小型未満2.00%(-0.61pt)といずれも低下。千代田区でも中小規模オフィスの需給はむしろ締まっています。区全体の空室率だけを見ると実勢を見誤りやすい局面です。

なお千代田区は募集平均坪単価の上昇率も+18.8%と5区で最大でした。相対的に高い区画が新たに募集に出たことは、平均坪単価の押し上げと大規模ビルの空室率上昇の両方と整合し、募集プールの上方シフトがうかがえます。

この大規模空室率の上昇は、特定の大型オフィス(竣工前)一棟の先行募集が主因です。千代田区内幸町で2029年3月の竣工を予定する大型再開発ビル『HIBIYA CROSSPARK(仮称)サウスタワー』(地上46階・地下3階、有楽町駅ほか徒歩1分)が、竣工に先立ち複数フロアの募集を開始したことによるもので、千代田区の大規模募集面積の増加の大半を占めます。既存テナントの退去による空室増ではなく、中小規模オフィスの需給とは連動しません。

HIBIYA CROSSPARK(仮称)サウスタワー

募集中フロアの詳細はこちら:https://japan-office.jp/tokyo/detail/1046816

4.【深掘り2】募集平均の上昇は「値上げ」か ― 同一区画で検証(前年同月比)

募集平均坪単価の上昇が「同じ部屋の値上げ」なのかを確かめるため、5区の小型オフィス(基準階20坪以上50坪未満)について、2025年8月末と2026年8月末の両方に募集が出ていた同一区画を突合しました(前年同月比)。

表:小型オフィスの同一区画(same-store)募集坪単価の変化(2025年8月末→2026年8月末) 出典:OFFICE RESEARCH®(株式会社ボルテックス運営)

結果は5区すべてで中央値±0.0%。募集の「平均」は+6.3〜+26.1%上昇していますが、同じ区画で比べた募集条件はおおむね横ばいでした。平均の上昇は個々の一律値上げではなく、割安な区画から先に決まり、相対的に高い区画が新たに募集に加わる「入れ替え」による部分が大きいことを、今号のデータでも確認できます(渋谷区のみ上昇区画が約3割とやや多く、実勢の値上げの動きも一部みられます)。

数値の読み方(3つの注記)

募集平均坪単価は、その月に募集中だった区画の坪単価(共益費込)の単純平均(面積の重み付けなし)。募集の顔ぶれや面積構成が変わると平均値も動きます。

「空室率(全体)」は全規模を含む区全体の値です。千代田区の上昇は主に大規模ビルによるもので、中小規模の空室率とは異なります(第3章参照)。

同一区画の突合は、両時点で募集が出ていた=12カ月の間に決まらなかった区画を対象とするため、成約まで時間を要した区画に偏る可能性があり、市場全体の実勢を完全に代表するものではありません(第4章参照)。

調査概要

名称:都心5区 中小規模オフィス市況レポート 2026年9月号

対象エリア:東京都心5区(新宿区・渋谷区・中央区・千代田区・港区)

対象:中小規模オフィス(本レポートでは主に中型・小型・小型未満を対象。深掘り分析は千代田区の規模別空室率、および5区・小型の同一区画比較)

規模区分(基準階面積):大規模=200坪以上/大型=100坪以上200坪未満/中型=50坪以上100坪未満/小型=20坪以上50坪未満/小型未満=20坪未満

対象期間:2025年9月~2026年8月(各月末時点)。12カ月変化は2025年9月末と2026年8月末の比較

賃料:募集中区画の坪単価(共益費込)の単純平均(面積による重み付けなし)。賃料相談の区画は集計から除外

空室率:募集面積 ÷ 貸付総面積(各月末時点)

募集在庫:各月末時点で募集中として掲載されている面積の合計(募集面積)。12カ月変化は2025年9月末と2026年8月末の比較

同一区画突合:2025年8月末と2026年8月末の両時点で募集が出ていた各区・小型(基準階20坪以上50坪未満)の区画(前年同月比)

データ出典・分析:株式会社ボルテックスが運営する『OFFICE RESEARCH®(オフィスリサーチ)』

『OFFICE RESEARCH®』について

『OFFICE RESEARCH®(オフィスリサーチ)』は、株式会社ボルテックスが運営するオフィスビル情報プラットフォームです。東京都内のオフィスビル・フロア情報を継続的に更新し、長期にわたる賃料・空室状況のデータを蓄積しています。本レポートは、このデータベースを基に株式会社ボルテックスが集計・分析したものです。

『OFFICE RESEARCH®(オフィスリサーチ)』へのお問い合わせ:https://www.vortex-net.com/service/officeresearch/

都心5区でオフィスをお探しの方へ

都心5区(新宿区・渋谷区・中央区・千代田区・港区)をはじめ、中小規模オフィスの移転・拡張を検討中の法人様は、株式会社ボルテックスが運営するオフィス賃貸仲介サイト「ジャパンオフィス検索®」をご利用ください。エリア・広さ・予算・最寄り駅から募集中のオフィスを検索でき、移転計画から内見・契約手続きまでをサポートします。

ジャパンオフィス検索:https://japan-office.jp/

千代田区の空室一覧:https://japan-office.jp/tokyo/area/c1

宅地建物取引業 国土交通大臣(3)第8509号

商標・ご注意

「区分所有オフィス」「100年企業戦略」「OFFICE RESEARCH」「オフィスリサーチ」「ジャパンオフィス検索」「東京オフィス検索」は株式会社ボルテックスの登録商標です。

本レポートの数値は当社データベースに基づく集計値であり、対象・期間・定義を揃えていない他の調査の数値とは直接比較できません。

本レポートは情報提供を目的としたものであり、個別の物件選定・契約・投資判断について保証するものではありません。

【会社概要】

株式会社ボルテックス

主要指標 — KEY FIGURES

+18.8%
上昇率は千代田区+18.8%が最大
2.16%
渋谷区2.16%が最も低い
+0.89pt
千代田区は区全体の空室率+0.89pt
+2.21pt
大規模ビル(空室率+2.21pt)

1999年、宮沢 文彦(代表取締役社長 兼 CEO)により企業財務の新しいソリューションを提供する会社として設立。「経営に新常識をもたらし富の再分配を実現することにより、社会における格差の拡大とそれによる分断を是正する」というパーパスを掲げ、富の偏在による経済の停滞や都心と地方の格差の広がりなどの社会問題を新たな視点、発想により解決し、資産が健全に循環する社会の実現を目指しています。

これまで、パーパスに基づき、お客様の本業に連動しない収益と流動性の高い売却可能資産の確保、企業価値・事業継続性の向上に貢献してまいりました。東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)を中心に独自ブランド「VORT®」シリーズを200棟超(2026年3月末時点)展開する「区分所有オフィス」、不動産小口化商品「Vシェア®」のほか、在籍型出向サービス「Vターンシップ®」や高級別荘事業「Seren Collective®」シリーズなど、幅広くサービスを展開しており、各事業と組織は成長を続けています。従業員数821名(2026年3月31日時点)、東京本社、札幌、仙台、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、福岡、鹿児島に支店を置く。2026年3月期、売上高1,057億円、経常利益104億円、保有物件(賃貸用不動産)金額788億円、預り資産総額7,391億円。

宅地建物取引業 国土交通大臣(3)第8509号、マンション管理業 国土交通大臣(3)第034052号、不動産特定共同事業 金融庁長官・国土交通大臣第101号、第二種金融商品取引業関東財務局長(金商)第2952号、( 公社)全国宅地建物取引業保証協会加盟、( 公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟 、( 公社)東京都宅地建物取引業協会加盟

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