「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループで、コンタクトセンター業務を中心としたBPOサービスを展開するパーソルコミュニケーションサービス株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:軽井 宏直)は、富士通株式会社(本店:神奈川県川崎市、代表取締役社長 CEO:時田 隆仁、以下富士通)が開発した対話分析AIを、「人を育てる存在」として活用する実証実験を実施しました。

【背景】

コンタクトセンターにおけるオペレーター業務は、お客様の感情を受け止めながら、正確かつ迅速な対応が求められる高度なコミュニケーション業務です。また、マニュアルだけでは対応できない複雑な問い合わせも多く、精神的な負担が大きい仕事でもあります。

富士通の研究開発部門である富士通研究所では、ストレスマネジメントやウェルビーイングの向上に資する技術の研究開発を進めており、その有効性を検証する実証実験の場を求めていました。

一方、当社も、オペレーター一人ひとりが生き生きとはたらき、成長できる環境づくりを目指しており、両社の目指す方向性が一致したことから、本実証実験を実施しました。

コンタクトセンターでは、お客様とのコミュニケーションが円滑になることがオペレーターの心理的負担の軽減にもつながります。そこで本実証実験では、日々の応対を振り返り、トラブルの未然防止や応対力の向上を支援する、富士通研究所が開発した対話分析AIによる振り返り支援を活用しました。

【取り組み内容】

今回活用した対話分析AIは、オペレーター本人の応対内容を分析し、一人ひとりに合わせたフィードバックを提供するAIです。

ただし、フィードバックはAIが応対の「正解」を一方的に提示するものではありません。AIの回答精度には限界があることに加え、指示の押し付けではオペレーターの納得感が得られないためです。

本取り組みの目的は、オペレーターが「より幸せにはたらくこと」にあります。心理学や行動経済学等で立証されている通り、「自分で決定できること(自己決定権)」ははたらく人の幸福度に深く影響します。だからこそ、AIはあくまで支援役に留め、オペレーター自身が提案内容を吟味し、主体的に判断・決定できる仕様としています。そして、この「AIによるフィードバック、内容の吟味、改善の決定」をオペレーターが継続的に行うことで、応対力の向上を目指しました。

【実証実験で得られた成果】

代表電話窓口のオペレーター8名を対象に約1か月半にわたり実証実験を行い、約630件のデータを分析した結果、以下の成果が確認されました。

実証実験の結果、振り返り開始前と実施後の比較では、顧客の用件を受け止めているかという「積極的な傾聴」のスコアは10%、怒りや不満に対し、寄り添う一言を添えているかという「感情的共感」スコアは28%向上しました。参加した8名全員が顧客対応を変えようと意識し、うち5名は実際の行動にも変化が見られました。

また、本実証実験終了後に行われた品質対応評価(評価対象期間:3月3日~3月13日)でも、応対品質のサービスマインド指標である「共感性」が、昨年同期比で15%向上していました。

加えて、本実証実験では、すでに十分なスキルを持つ経験豊富なベテランオペレーターにおいても、新たな気づきや改善のポイントが明確になるという成果が得られました。業務に慣れたベテラン層ほどマンネリ化や成長実感が得にくくなる傾向がありますが、AIによる客観的な対話分析を通じて自らの応対を振り返ることで、「まだ伸びしろがある」という発見と成長の喜びを生み出しています。 この取り組みは、オペレーター一人ひとりのやりがいや「幸せにはたらくこと」につながるだけでなく、組織全体の応対品質を底上げし、企業の競争力を高める原動力となります。

なお、こうした現場の成長と成果が評価され、当社と富士通は、カスタマーサポートの推進・発展に寄与した企業を表彰する「カスタマーサポート表彰制度」において奨励賞を受賞いたしました。

【今後について】

今後もAIによる「気づき」を起点として、人が主体的に学び成長する新たな人材育成モデルの確立を目指してまいります。あわせて、社員一人ひとりが能力を発揮しながら成長できる組織づくりを推進するとともに、AIを「人を育てる存在」として活用する新たな可能性を追求してまいります。

<調査詳細>

項目

内容

対象

代表電話窓口オペレーター8名

実施期間

分析対象データ取得期間:2026年1月19日~2月27日

※振り返り実施期間:  2026年2月1日~2月27日

実施内容

・手順

【対話分析(AI)】

① 音声をテキスト化(個人情報等をマスキング)

② オペレーターの発言を、傾聴・共感の観点から分析

③ 1件の対話に含まれる複数の場面の中から、振り返り効果が期待される場面を1つ選定し、フィードバック内容を決定。

【振り返り(オペレーター)】

AIのフィードバックをもとに振り返りを行い、今後の行動指針を自ら決定

※ 週1回・1場面・20分間、合計4回実施

分析・振り返りの対象

AIによる分析対象:約630件の顧客対応データ

(オペレーター1名あたり週平均約13件)

振り返りの対象:上記のうち、オペレーターごとに週1場面

(1名あたり計4場面)

主な成果

振り返り実施前と振り返り実施後の比較

主要指標 — KEY FIGURES

8名
代表電話窓口のオペレーター8名
約1か月半
約1か月半にわたり実証実験を行い
約630件
約630件のデータを分析した結果
10%
「積極的な傾聴」のスコアは10%

※振り返り開始前(2026年1月19日〜30日)と、振り返り実施期間のうち後半(2月16日〜27日)の比較

・「積極的な傾聴」スコア(※)が4.96から5.45へ向上(10%向上)

・「感情的共感」スコアが2.51から3.22へ向上(28%向上)

(※)本スコアは、富士通研究所が独自に設定した評価指標です。

オペレーターの発言を、大規模言語モデル(LLM)により以下の2つの観点から7段階(1〜7)で評価しています。

・積極的な傾聴:顧客の用件を、言い換えや要約によって受け止めているか

・感情的共感:怒りや不満に対し、まず寄り添う一言を添えているか

2024年度下期と2025年度下期の比較

品質評価部門による応対品質評価において、「共感性(サービスマインド)」が15%向上

全体を通して

・意識の変化:8名全員が「自分の顧客対応を変えようと思った」と回答

・行動の変化:うち5名が「顧客対応の方法が実際に変わった」と回答

<オペレーターの声>

「事務的な対応になっていたことに気づいた」

「迅速な取次が一番だと思っていたが、まずは受け止め・寄り添うことが大事だと認識した」

【関連Webサイト】

2026年度 カスタマーサポート表彰制度 受賞企業が決定いたしました

https://jiit.or.jp/news_csaward2026/

カスタマーサポート表彰制度

https://jiit.or.jp/awards/cs/

パーソルコミュニケーションサービス株式会社について< https://persol.csl.co.jp/ >

パーソルコミュニケーションサービス株式会社は、ヘルプデスク、ITサポート、コンタクトセンター業務を中心としたBPOサービスを提供し、企業の業務効率化と顧客体験向上を支援しています。「接点から、感動を」をミッションに掲げ、人と人とのつながりが生まれる「接点」を大切にして、挑戦を繰り返し、社会の「こうありたい」をカタチにすることで「より良いはたらく環境」があふれる社会を実現していきます。 パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人と組織にかかわる多様な事業を通じて、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:press_release
  • 関連組織:パーソルコミュニケーションサービス株式会社 / パーソルグループ